「STEINS;GATE」のアニメ版、DVDでまとめ借りしてみたので感想。


俺の中にある「スルーしてた話題作を遡って見てみよう」キャンペーンの一環として、
「STEINS;GATE」のアニメ版を今更見た(2013年の劇場版はこれから見る予定)。
なにしろXBOXの原作ゲームが2009年で、アニメは2011年なので、五年のタイムラグがあるが大変面白かった。 


2011年の作品に今更ガッツリ感想書くのもどうかと思うのでサラッと。
なんかこの世間との時間差が「タイムリープ」感ある。
序盤は「伏線貼るターン」という感じが強く、回収が見どころなんだろうなと思いつつも、
話に乗るまでは結構ジリジリしながら見た。 


「ヒロイン死んでやり直し」展開が回りだしたとき、「YU-NO」で主人公の叔母が自殺するシーン思い出した。
ネットで軽く調べた感じ、両作の関係性について侃侃諤諤な感じだったので、
深い言及は避けるべきアレなのだろうな。個人的にはどっちも好きです。 


「極端」に寄せた性格から、物語の進捗に合わせて少しずつ掘り下げていくキャラクターの立て方は
繊細で凄いなー。厨二病も男の娘も必然性を持たせてて、なんつーか作り手の誠実さを感じる。
6~7年前の「オタク文化」描写が思いのほか古色蒼然としていて驚いた。 


割とバキバキ人が死んでく不条理さや、全体的に殺伐としてたり凄惨だったりするところは、
時間改変SFらしくて好き。最後「再開」で終わるのも大変美しい。
そういやバタフライエフェクトもそうだったなー。奇を衒う必要が無い部分は非常にストレートでいいなあ。 


迂遠な表現になるけど、ひとつの「物語」から「ご都合主義」を完全に無くす方法は多分無いし、
無くしてはいけない。その前提のうえで、どこにそれを「寄せていく」のか、という脚本上の技巧が
垣間見えてなんというかスゲーなーと。勉強になるなあ。