■ゲームジャンル
緻密なピクセルアートとか主人公のキビキビした動作・操作感は
「Dead Cells」っぽいけど、ゲーム性はあんまり共通してない。
どちらかというと「Salt and Sanctuary」とか「Momodora」とか
「Hollow Knight」とかに近い、ダクソ風メトロイドヴァニアって感じ。
というか「システム的にはホロウナイトと同じ」と言い切っていいかも。
■雰囲気
不気味さ・残虐表現に全振りで、この辺もダクソオマージュを感じる。
敵を処刑するときは、武器を奪い取り突き刺し顔を踏みつけ
ただ「小腸・脳漿が見える」的なグロは無いので苦手な人でもまあ大丈夫と思う。
主人公が「悔悟者」なだけあって、ストーリーも宗教ベース。
ザックリ言うと神様がかけた呪いを解き明かす的な話。
神に見放された人々の苦吟が切々と描かれる。
やたらめったら陰鬱陰惨な空気感なので、それで滅入っちゃう人には
厳しいものがあるかも知れない。個人的には好き。
「奇蹟」や「罪」や「輪廻」といったフレーズが頻出する。
明確に語らないトコもフロム的なのかも知れぬ。

別に難しい単語が出てくるワケではないが
「我が聖なる同胞である天の意思の恩寵を受け」とか
「奇蹟たる苦痛の揺籃」といったくどくどしい構文が多いので
目くらましされるというか、まじめに読む気が薄れる感じは正直ある。
でも明らかに「創りこまれた世界観」なのは間違いなく、
■探索ゲー
メトロイドヴァニアなので、マップを探索するのを楽しむゲーム。
探索すると回復アイテム使用回数増えたり、強化アイテムを拾えたりと
自己が強化されて、探索が楽になり
もっともっと探索してしまうという中毒性のあるやつ。
サクサク進めてテンポがいいので、やめ時を失う。
斬りつけると隠し通路が開通する壁だったり、
難しいジャンプを強いられるエリアの奥に宝があったりと、
「苦労がちゃんと報われる」ことが徹底している。
こういうのが作り手への信頼感に繋がるので大事だと思う。
進むと「回復アイテム補充&セーブポイント」や
「奥側から開けると次回からは楽が出来るショートカット」が
開放されていくという定番ながら嬉しいアレも完備。
それと、細かい点だけど高所から落ちたときの「落下ダメージ」が無いのも好み。
「落下ダメージが必要なゲーム性」でなければ、無いほうがいいと個人的に思うのよね。
それと、細かい点だけど高所から落ちたときの「落下ダメージ」が無いのも好み。
「落下ダメージが必要なゲーム性」でなければ、無いほうがいいと個人的に思うのよね。
セオリー通り、セーブポイントに触れると敵が復活するが、
「そろそろきつくなってきたな」というところにちゃんとあって嬉しい。
ポイント間の長さや配置は絶妙と言っていいと思う。
ボスへのリトライストレスも少ない。
あと、定番だけど「ショートカット開放」って素直に
達成感と安堵感があって嬉しいよね。

広大なエリアは雪山だったり美術館だったり図書館だったり
神殿だったりと多彩で、見た目だけでなくギミックも多種あり
単調にならないよう、飽きない工夫がされている。好き。
■マップとファストトラベル
広大なマップに数か所ファストトラベルポイントがある。
そのため移動にはストレスが少ない……かというと、そうでもない。
ファストトラベルポイント自体がちょっと足りない印象あるし、
移動速度が割と遅いこともあり走ってる時間が結構長い。
そのため移動にはストレスが少ない……かというと、そうでもない。
ファストトラベルポイント自体がちょっと足りない印象あるし、
移動速度が割と遅いこともあり走ってる時間が結構長い。
というか正直、個人的にはセーブポイント間ワープさせて欲しかった。
ヌルくなるって言われるかも知れないけど、そこはもう快適性全振りのほうが好み。探索ゲーはマップが埋まっていくのが一番の楽しみなので、
マップの利用に制限が無いのは素直に有難かったねー。
マップの利用に制限が無いのは素直に有難かったねー。
個人的に、ホロウナイトの「マップ探してウロウロ」はあんまり楽しくない時間だったのよ。
■アクション
すっげえキビキビ動く。
俺は未プレイなんだけど「Dead Cells」と動きがよく似ている。
操作感覚的にも近いものがあるんじゃないだろうか。
攻撃は斬撃がメイン。

この手のゲームにしては珍しく、上斬り出来るのが好ましい。
大差ないと思われるかも知れないが、真上を攻撃できるかどうかは大きな差だ。パリィアクションもあるが、必須ってほどでもない。
特定のザコ以外、後半までほぼ使わなくてもなんとかなるレベル。
ただ後半、急に「パリィ無いとほぼ絶対勝てないボス」が来るので、
慣れておかないと後で苦労するかも知れない。
魔法やスキルも存在する。
MP消費する魔法はそれなりに強力だが、貧乏性の俺はあんまり活用しなかった。
「活用しなくても割となんとかなるが、使うとより便利」くらいのバランス。
敵を攻撃すればMPは溜まるので、そこまで温存する必要はないんだけどね。
敵を攻撃すればMPは溜まるので、そこまで温存する必要はないんだけどね。
スキルのほうはダッシュ斬り・落下攻撃・タメ斬りなど。
これはぶっちゃけ全然使わなかった。なんかどれも出が遅すぎて使いにくくてなー。
それと、プレイしながら「これは後半、二段ジャンプが
できるようになるゲームだな……クク、俺はそういうの分かるんだよ」
とか思いましたが、ありませんでした。
■難易度
「高難易度ゲー」とか「死にゲー」とか紹介されており、
実際、簡単なゲームではない。
ただ道中の難易度は正直、ホロウナイトよりだいぶ楽だと感じた。
俺が「ヌルめ」と感じるくらいだから、死にゲー好きの人からしたら
「こんなモン?」って感じちゃうかも知れない。
俺個人としては「ぬるくてたのしい」という気持ちでした。

ただ、後半トゲ一発死が多くなってくるのはかなりストレス。
前提として、俺は「体力バーがあるけどトゲは一撃」というシステムが
あんま好きじゃない(ロックマンとかも苦手)ということもあるが、
ジャンプ中、当たり判定が曖昧なトラップにこすられて
有無を言わさずトゲ一直線のシーンは大分イライラした。
製作者が「悪魔城ドラキュラ」の影響を公言しているので、
ある種のレゲー的な手触りを目指したものかも知れないが……。
個人的にはちょっとなーと。
製作者が「悪魔城ドラキュラ」の影響を公言しているので、
ある種のレゲー的な手触りを目指したものかも知れないが……。
個人的にはちょっとなーと。
あと多分、難易度調整のための意図的な仕様だと思うんだけど、
攻撃を食らったときのノックバックが非統一なのが結構つらい。
空中で当たってもそのまま着地出来る攻撃と、
食らうと吹っ飛ばされる攻撃があるため、
後者を食らってトゲ一撃死すると「はああ!?」ってなっちゃう。
狭い足場で食らう攻撃でも同様のことが起きる。
繰り返すが、細やかな難易度調節のための意図的な仕様だと思う。
それを踏まえても、個人的にはストレスを感じた。
狭い足場で食らう攻撃でも同様のことが起きる。
繰り返すが、細やかな難易度調節のための意図的な仕様だと思う。
それを踏まえても、個人的にはストレスを感じた。
さらに細かいとこなんだけど、ハシゴ周りの操作がクセ強い。
空中でハシゴに掴まる操作、慣れるまで死にまくったよ……。
ボスは「数回やり直せばなんとかなる」レベルで、歯ごたえありつつ
難しすぎないいいバランス……なんだけど、
ラスト手前のボスがクソ強くて四時間くらい足止め食らって泣いたよ。
■デスペナ
デスペナはかなり特殊で、お金を落としたりはしないが
「最大MP現象+お金の取得量減少」デバフがつく。
しかも死ぬたびに累積していく。
それを祓うには、死んだ場所に回収しに行くか、お金を払って
デバフを取ってもらうかする必要がある。

個人的には割と嫌いじゃない仕様。
正直、あのダクソとかの「死ぬと持ち金全部落とす」アンド
「拾いに行く途中で死ぬとパー」のシステム、苦手で……。
稼いだ金がパーになったときメッチャ萎えるし、
そこそんなにシビアにしなくても良くない? って個人的には思っちゃう。
まあ本作も、死にまくりアンド回収しそびれると累積するからヤベーんだけど。
■まとめ
うだうだ書きましたが、総合的に見て超面白かったです。
似たゲームで比較すると、ホロウナイトが70点前後くらいで、
本作が88点くらいかなー。
比較してdisるのもアレだけど、ホロウナイトであった様々な不満が全く無かったので素直に「最高!」って思いました。
定価の2500円で買っても全く損しないゲームだと思うのでみんな手に取るヨロシ。