例によって――俺は――
ファブルの新刊の感想を――
書く――。
(※毎回そうですが、バリバリネタバレします)

この全員の目線が別方向向いてる表紙すきだなー。
本作独特の空気感がある。
冒頭、ヨウコをかばうかたちでユーカリが離脱。
ユーカリさんが「最初からずっと山岡サイドだった」という
スパイ的な展開だとイヤだなと思ってたので、この流れは良かった。

そして、その思惑を山岡さんもしっかり見抜いており、
それでいて無理なく状況が展開していく。
どのキャラも全力で立ち回ってる緊張感が素晴らしいなー。
「話の展開のためにやむをえず誰かを無能にする」みたいなことが全然ない。
サラリとやってるけど、これってものすごい作劇技術だと想像する。
しかし、スズムシ全く何も見せ場もなく殺されたなあ……。
そのことに思いの外ショックを受けている俺がいた。
そのことに思いの外ショックを受けている俺がいた。
いや、同情の余地はまったく一欠片もないキャラではあるんだけど、
ここまで長々と生かされてからのこの虫けらのような死に様は
さすがに憐れみを感じてしまった。
まあ作劇上、生かしておいても役割が無いっつーか、
ここから改心して活躍されても困るポジションだから、
「このタイミングで処理するしかない」という実感はある。
(アキラ兄さんが居る場面じゃ殺せないし)

死体遺棄の具体的なディティールが描かれると知的好奇心をくすぐられて、
まあ作劇上、生かしておいても役割が無いっつーか、
ここから改心して活躍されても困るポジションだから、
「このタイミングで処理するしかない」という実感はある。
(アキラ兄さんが居る場面じゃ殺せないし)

死体遺棄の具体的なディティールが描かれると知的好奇心をくすぐられて、
正直ちょっとテンション上がっちゃうな。
カプサイシンはアレだ、獣避けの薬品とかに入ってるヤツらしいね。
ヨウコが戦線離脱する流れも自然で、思わず唸った。
普通「親の敵討ちを諦める」って相当無理のある展開になると思うんだけど、
ここまでの伏線をちゃんと効かせてソフトランディングしている。
そして、アキラ兄さんとボスとの対話。
このへん、ボスは全然甘さが無くて威厳があっていいなー。
登場する殺し屋達が情緒的になっていくことで、ボスの異常性が却って際立つ。
登場する殺し屋達が情緒的になっていくことで、ボスの異常性が却って際立つ。
それだけに、情で動いてるユーカリさんが凄く甘い人に見えてしまうが。
「友達になれた」と言われてちょっと動揺するところは可愛い。

あと山岡さんが「採点」してくれたのは嬉しかったな。
なんかこう、俺はバトルマンガ的な読み方が好きなので
こういうパワーバランスの目安が出てくるとワクワクしてしまう。
バキで、本部以蔵が「君が120点なら俺は80点弱」みたいなこと
言い出したときも結構ワクワクしたよね。
まあ素手の本部80もあんの? とは思ったけど。
てかユーカリさん俺の中では6~7点のイメージだったが、ヨウコと互角かー。
そう考えるとマツさんとか3点くらいになるんじゃなかろうか。最終的に、山岡さん+アザミ+ユーカリVSアキラ兄さんというバトルになり次巻に続く。
いや~、アザミユーカリが味方サイドになったことで、緊張感が薄れてそうなところで
こう展開が巻き直されるかーという感じで非常に楽しい。
アザミユーカリの二人が「組織のルールより身内優先」と言い出したのは
少々驚いたが、ここも丁寧に描写が重ねられていて変節とは感じなかった。

しかし山岡さんこの顔なに!?
っていうかなんで髪切ったの? 視野が狭まるから?
読む前は、この巻で「第一部完」になると思ってたので、まだ全然終わんなくて
ビックリしたけど嬉しいなー。次巻がスゲー楽しみだぜ。
ビックリしたけど嬉しいなー。次巻がスゲー楽しみだぜ。