最新刊が出たから――俺は――
ファブルの最終巻の感想を――

書く――。

(※毎回そうですが、バリバリネタバレします)

一触即発のところで21巻が終わったので、22巻開始早々ラストバトル開始。
2
いきなりクライマックスの高揚感があり、それがダレて
冷める前にケリが付くファブルらしいスピード感で最高。

ていうか山岡さん、なんで坊主にしたんだろ。
「髪で視界が遮られないように」なんて理由じゃないだろうし
単に気合い入れるためだったんだろうか。
3
殺し屋相手に平然と2対1で格闘しつつ銃撃も回避する兄さんに、
「10点」という評価を改める山岡さん。
アキラ兄さんの規格外っぷりが最大限に強調されて興奮した。
4
ここのガン=カタばりのトリッキーな銃撃の仕方も大好き。
5
三対一でまったく歯が立たず苦笑する山岡さんが、
強いだろう、勝てないだろうとは言っていたものの
「さすがにここまでとは思ってなかった」って感じでかわいいな。

読者としても過去最強と思われる三人相手に
ここまで無双出来るのか、と今更ながらにビビる感じはあるが、
アキラ兄さんが苦戦してても面白くない気がするので不満はまったくない。
6
ユーカリ・アザミの山岡に対しての情については
戦友・師・親といった言葉が並びつつも
具体的なエピソードが無いので正直あまりピンとこない感がある。

山岡さんの最後は、セリフも演出もすごいアッサリした感じで、
逆に「らしい」感じがして良かったなー。
物語的には「こうするしかない」ルートで納得感もある。

アキラ兄さんは「あとは話し合ってくれ」といって立ち去るのはちょっとビックリした。
アザミやユーカリが組長を殺したりはしない、という確信、
或いは信頼があったってことなのかな。

二郎のパートは、ダラダラ長引かせる必要が無いので
どう処理するんだろと思ってたが、手際よくスッと
終わらせててすごく良かった。
7
というか、最初テントのシーンみたとき新キャラかと思っちゃったよ。
アレか、宇津帆編で出てきた殺し屋鈴木か。
一流未満の殺し屋三人による「うっかりキル」が面白い。

で、22巻真ん中くらいまででラストバトルが終了し、
残りの半分でエピローグ的な話になるのだが。

これまでの殺伐とした展開がウソのように、
ゴリッゴリの「大団円」になってて驚いた。
読後満足度が高い反面、ちょっと気恥ずかしさすらあった。

アキラ兄さんは精神的に変化し殺しを厭うようになり殺し屋引退。

「組織から追われることのない円満足抜け」って
冷静に考えると結構都合のいい展開ではあるが、
「時代に合わせて変化しつつある」という伏線・理由付けが
ちゃんとあったので無理矢理感はなくて素晴らしい。
8
会社やめると言われたとき、最初は冷静に受け止めていたが
時間差でショックを受ける社長が妙にリアルですごく良かった。

「アザミ・ユーカリふたりともオクトパス勤務になったら
面白いだろうけど、さすがにならんだろうな」と思っていたので、
ホントになってビックリすると同時に大変嬉しかったな~。

しかし「アキラ⇔ユーカリ・アザミ」のわだかまりより、
「海老原組長⇔ユーカリ・アザミ」のほうが気になる。
そこの間にはわだかまりは残ってないのだろうか。
10
ユーカリはちょっと、最初の頃の印象からすると
「お前ちょっと感傷的つーか、甘すぎない?」って感じが無くもない。
なにげに殺し屋達のなかで一番情にもろくないか。
それゆえにいいキャラではあるが。

あとマツさんの顛末、思ってた以上にウェットというか浪花節な感じで
正直ちょっとだけ鼻白むところもあったんだけど、
マツさんに今更死なれても全然嬉しくないのでいい落としどころ。
12
ミサキちゃんのくだりは、「驚きの展開」であると同時に、
複数の伏線や懸念を一度に回収・解消していて凄いなと思った。
この尺でここまで出来るものなのか。
13
兄妹の旅立ちはメチャクチャ爽やかでちょっと笑ってしまうレベル。
ペ・ダイヨチャがちゃんとラストで出てきてくれて嬉しかった。

ボスとアキラ兄さんとの会話がラストに来るんだけど、
意外とボスが優しくてホッとした。

冷酷非情ではあるが、ちゃんとスジは通す人ではある。
しかし手の中にチップで盗聴はなかなかのテクノロジーだなあ。
半分SFの世界だ。
15
ミサキちゃんが痴漢に遭うシーンは絶対もう一回あるだろうなと
思っていたので、ちゃんと回収されてて良かった。
必要な伏線ぜんぶ拾っていって大団円なので気持ちがいいね。

かくして、アキラ兄さんは組織の軛を離れ、後顧の憂いもなく
「人助け」の旅に出る――というところで物語は終了。

読む前に「こうなるだろう」と予想していたよりも遥かに綺麗な、
ホントに何の苦さも残さない爽やかハッピーエンドで、
初読時は正直「こんな作風だっけ!?」と面食らったくらい。

でもビターエンドを脳内で妄想すると、どれもパッとしないし、
主要キャラが死んでも物語上なんも意味がないので、
この造りは完全に正解なんだなと思い至ったし、
再読したら満足度すごかったので素晴らしい。

第1部完であり、いくらでも続きを作れそうな終わり方なので、
いつかどこかで続きが読めることをワクワクして待ちたいねー。
面白かったー。