タイトルのフォント含めて、このパッケージ安っぽすぎない?

久しぶりに映画見ようかなと思いまして、ほぼ無駄払いになっている
amazonプライムビデオで適当に選んで見てみることにしました。

以下、ネタバレありの感想なので注意。

ウィキペディアのページもないので細かい情報はよくわからんが、
2014年制作、カナダのマーリン・ダービズビック監督のサスペンス映画。

突然、謎のグループセラピーに参加させられ、身に覚えのない妻殺しを
認めるよう迫られた挙げ句、決定的な「一日」を繰り返すことになるという
一種のタイムリープもの。

つってもループはSFギミックってより主人公への「刑罰」の色彩が強く、
「先を知ってるがゆえに先手を打つ」みたいな爽快感は皆無。
本当にただキツい一日を繰り返させられる主人公が結構可哀想な話。

ストーリーラインとしては、正直なところ「概ねこうなるだろうな」という
予想を上回らないところがありました。
まあ元々「どんでん返し」的なものを狙ったプロットでは無いんだと思う。
それでも最後まで引きつけられて退屈しなかったのは素晴らしい。

主人公であるエドガーさんは、割と不潔感あるうえに神経質で
しかも後半に行くに従ってどんどん悪い部分がむき出しにされていく。
非モテ男の悲しさを体現しており見ていてキツイものがあった。

主人公が謎の施設を「脱出」したあとに見る景色は、
まあ多分こういう感じだろうなーと思ってはいたんだけど、
実際問題「自分の姿を客観視」ってキツいよな。

コンプレックスから逃げてこじらせた幼稚なオッサンである自分としても、
こういう感じで周囲の人間目線で自分を見せられたら超ツライと思う。
「自分を守ることと慰めることにイッパイイッパイでごめんよ~」ってなる。
誰も叱ってくれない年齢になったからこそ、顧みないといけないね。

ループからの脱出キッカケが「他人の干渉」というのは、感覚的にわかるけど
正直あの施設のルールが曖昧でちょっと納得いかなかった部分がある。

というかあの施設、厳しいのか甘いのかよくわかんねえよな。
もっといくらでも締め上げられそうなモンだけども。
ジュリアンがキンタマ取られる罰も良くわからんけど、まあでも
序盤にああいうシーン入れないと緊張感ねえからな。

あのテレビの中のババア役、誰なんだろ。すげえいいクソババアで印象に残る。
もうひとりのハゲのほう、一瞬マーク・ストロングかと思ったけど違った。

ラストは「それで解決になるのか……?」というなんともいえない
気持ちだったが、最終的に罪を乗り越える方法があるので割と後味は悪くない。
なんだかんだ花を添えるシーンでちょっと泣きそうになった。

あと調べたら出てきたけど、7734号室って逆さから見ると「HELL」か。
自殺者への異常な厳しさも含めて、結構宗教……つーかキリスト教的な
価値観が根底にある感じがする。

原題が「Cruel and Unusual」らしいんだけど、いくらなんでも
もうちょっと邦題捻りようはなかったんだろうか。
まあでも「残酷で異常な刑罰」というのも冴えないし、考えてみると難しいなー。

低予算感は節々に感じつつも、「世にも奇妙な物語」的な味わいがあって
95分という短さが気持ち良い、なかなかいいB級サスペンスでした。
おもしろかったです。