
色んなマンガの一巻を読み漁ってみようシリーズ第六弾。
今回読むのは「雪女と蟹を食う」!
どういうタイトルだよ! と思って思わず読みました。
例によって内容まったく知らぬまま読みます。
よろしくどうぞ。

まず、いきなり死のうとしている男が主人公。
事情はさておき「これから死のう」としている人間目線で始まるの、
斬新だし引きつけられるからいいよね。個人的には感情移入もしやすい。
や、別に死のうとしたことはないんだけど。
「蟹」そのものが好みかどうかは一旦置くとして、
死を選ぼうかという深刻な状況で、卑近な欲求のことを考えるというのは、
実感としてよく分かる。
全然違うハナシだけど、なんか昔読んだ本で
「これから処刑される人間が、ノド渇いたままで死ぬのが悔しいから水を飲みたい」
って言ったというエピソードを思い出した。
そして出会う一人の女。

冒頭からこんなファム・ファタールの匂いを漂わせるのもすげえな。
真夏の暑苦しい描写と相まって、幻想的――というか悪夢的なビジュアルだ。

そ、そうなんですか!?(裏返った声)
というか犯そうとして逆に手玉に取られるのなかなかに恥ずかしいな。
二回射精しただけで「獰猛さ」みたいなものを奪われるの、実に生々しくて笑う。
俺もエロい人妻に抜かれた挙げ句に女性経験の少なさを見抜かれて
クスクス笑われたりしてえよ、と思いました(真剣な表情)。
マジな話をすると、主人公が明らかにシャレにならない犯罪を
しているのに好感度や共感が得られる構成になってるのは純粋に凄いと思う。
(いやまあ、人によっては共感はムリかもしれない)

しかしこの「一話だけでは何もわからない」感じすげえな……。
連載の第一話で「これからどういう話に転がっていくかわからない」というのが、
いい場合と悪い場合ってあるんだと思う。
「よく分かんねえけどなんか面白かった」という後味を残すのって、
本当に簡単な話ではないし。
本作の一話は「完全に犯罪者だが感情移入出来る主人公」、
「よくわからんが魅力的なファム・ファタール」、
「そこはかとなくエロい描写」、「突拍子もない目的意識」で
十分にヒキを成立されていて凄いマンガ力だと思いました。
「主人公がなぜ死のうとしているか」も「ヒロインが何を考えてるのか」も、
六話くらいまでほぼノータッチで行くの、すげえ構成だよな……。
「謎で引っ張る」サスペンス……というワケでもないのに。

とりあえず、三十路の人妻とエロいシーンがあるというだけで、
間が持つというか、テンションが上がってしまうというのは変わらぬ事実。
39歳の俺からしたら三十路なんて「若い女の子」のフォルダだからな。
だからな、って言われても困るだろうけど。

一巻を最期まで読んでも、話がどう転んでいくか全然わかんなくてすげえぜ。
今は5巻まで出てるらしいけど、どんな話になってんだろうな。
多分、そう長く続く話ではないんだろうなー。
ヒロインのミステリアスさが無くなったらそこで終着点になりそうだし。
とりあえずメッチャ引き込まれたしエロいしで満足度高かったです。
ただ、話が進むにつれてエロ要素が減っていくのではないかと予想。
続刊も読んでみるかなー。おもしろかったです。