
色んなマンガの一巻を読み漁ってみようシリーズ第十弾。
そう言えば、三田紀房先生のマンガちゃんと読んだことないな、と思い
おもむろに読み始めました「アルキメデスの大戦」。
第二次世界大戦モノということしか知らずに読み始めました。
とりあえず一巻の感想です。

冒頭のツカミを、いきなり会議からスタートする構成すげえな! って驚いた。
戦艦の設計の、いわばプレゼンから話が始まる。
興味がない人は振り落とされるだろうけど、個人的には
プレゼン合戦ってだけで身近なものに感じるしワクワクしてしまう。

この偉い人たちが小手先のビジュアルに簡単に転がされる感じ、
普遍的な日本式プレゼンあるあるで苦笑を禁じえない。
マヌケで無意味な労力を使って、オジサンを転がすハッタリを構成する。
俺もよくやります。
このシーン、楽しそうに鑑賞してるお偉方が「玩具遊び」と揶揄されるんだけど、
こういう変に子供っぽさを見せる感じもありがちで生々しい。

先見性のあるカリスマとして五十六っつぁんも出てきてテンションが上がりますね。
山本五十六の「先見性」にはある種の限界があることも、
続巻では描かれていくだろうな~といい加減な予想をする。

こういう時代の変化を理解できないアタマの硬い老軍人ってのは、
どこの国にもいるもんなんだろうなあと。
ソビエト赤軍とかでも、第二次大戦近い時期でも
「オトコは騎兵突撃じゃ!」みたいな軍人がいたらしいし。

不当にクソ安い見積もりで案を通そうとする相手と、その不正を暴こうとする味方サイド
という対立構造で話は進んでいく。
建造中に費用が増額することについて、「どうとでもなる」というのはよく分かる。
プレゼンさえ通しちまえばこっちのもん、というのは実際そうだと思う。
予想以上にカネがかかったからって、じゃあやっぱ別の方法に……とはならんからね。

斯くして、民間人の「数学の天才」に白羽の矢が立つのであった。
このコマを見たときは、傍若無人の天才キャラなのかな? と思ったけど、
主人公の櫂さん、思った以上に真っ直ぐなキャラでびっくりした。
ちゃんと読んでないとはいえ、三田作品の主人公は皮肉屋のマキャベリストって
イメージが俺の中になんとなくあったので。
後で三田先生のインタビュー読んだら、今回は敢えて挑戦してみたということらしい。

この「逆風のなか、気が遠くなるようなことをコツコツやり始めよう」
という行動はちょっとグッとくるものがあったなー。
戦艦大和は実際作られてしまうことが確定しているワケで、
一種の「負け確定」話なので、どうカタルシスに繋げるんだろう。
こっからどんどん面白くなっていきそうだな~というところで一巻は終わり。
一巻時点でもテンションの上がる描写が山盛りで、この地味な題材を
こんな風に料理するのか~と感心しきりでございました。
あと初めてしっかり三田先生のマンガ読んで思ったけど、
三段割りメインのケレン味のないコマ割りで、キッチリ
リズムを作っていてすげえなと。プロの仕事はすげえや。
続刊読んで、また感想を書くかも知れません。
もう20巻も出てんのか。