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大学生四人組のユルエロ日常コメディ「惰性67パーセント」、
Kindle版で新刊かったので感想書いていきます。

ちなみに、前巻の感想はこちらから。

2
「ひだる神」に取り憑かれて動けなくなる吉澤。

人物も背景も作画が緻密でテンション上がっちゃうなー。
毎回同じこと書いてるけど、紙魚丸先生のこの清潔感のある絵
……というか「線」が大好きなんですよ。

この「ひだる神」のくだり、1ページでオチがわかるんだけど
「じゃあなんでこの説明入れたんだよ!」って感じで好き。
3
オチへの前フリの意味もあるが、微妙にイケメンムーブを決める西田。
未だに下の名前も定かじゃないクセにこの野郎。

おんぶして立ち上がれないというのはリアルな話である。
成人ひとり持ち上げるのって鍛えてないと割とムリよね。

ファイヤーマンズキャリーのコマ、全く意味がなくて笑ってしまった。
「間違ってファイアーマンズキャリーの体勢になってしまった」
みたいなオチにもならないからマジで流れと全然関係ない。

それから、アクセサリーのプレゼントの話。
4
消耗品でないプレゼント、「いらねえ」ってこと結構あるよね……。
というか、正直「気持ち」の問題抜きにすると
プレゼントが本気で嬉しかったことってあんまりねえ気がする。

彼氏からのプレゼントで「あんまり趣味じゃないアクセサリー
もらっても困っちゃうぜ~」というのはリアルな話だ。

北原さんのこういうセリフ、むやみにキツい言い方しないけど
男女の現実を突きつけるドライさがある。
6
オレ個人も正直「本人に何がほしい?」って訊きたいほうですね。

サプライズとかあんまり好きじゃないし。
まあ他人にプレゼント贈る機会もそう無いんだけど。
5
あと本作は割と、ペダンティックとまではいかないものの、
「バカそうな大学生の割にやたら詳しいな」というシーンが
ちょいちょい出てくるんだけど、ちゃんとそこにツッコミで
ロジックを入れてるところが丁寧で好感が持てるよな。
7
皆川フェードバッチリ決めながら「おっぱい揉ませてやんよ」と
宣言する北原さんがカッコイイ。
絵がヘタだと皆川フェードは全然決まらないのよな。
8
しかし大学生で身の回りに女子いっぱいいる西田、正直羨ましい。

理系だったから「男だらけの中にちょっとだけ女子グループ」の人口比で
女子との接点ほとんど無かったな大学時代……。

まあ大学出てからも女子との接点はほとんど無いまま
中年男性になっちゃったんですが、その話はまた別の機会に。
9
普段強キャラというか、男慣れ&世間擦れした印象の北原さんだけに、
風邪で弱ってるシーンでギャップが映えるのは必然である。
泣き顔がメチャクチャ可愛く描かれてて大変よかった。満足した。

しかし西田に関しては、吉澤も北原さんも
「薄っすらまんざらでもない」くらいのリアクションするの
ちょっとニヤニヤしてしまうところはある。

わざわざラブコメ展開にはしないと思うけど、このちょっと
フワッと羽が触れるような撫で方される感じがイイよね。

まあ北原さんは「付き合ってよ」を断ってるんだから脈は無いんだけど、
自分から西田をラブホに誘ってきてた頃よりもこころなし
距離が近づいてる気がする。これは十中八九気のせいだが。
10
上沼さん、メイン登場人物になって長い割にあんまりこう……
レギュラーに馴染んでる感ない気がするな。

「めんどくさそうな女」というイメージだけが強い。
五木さんのほうがまだ有機的に絡んでる感じある。

しかしオバケ関連のロジックは仰るとおりというか、
怨みや未練が悪霊に繋がるならもっともっとこっちに影響出るくらい
出てこないとおかしいぜっていうのは俺もよく思う。

「お前らが思ってる以上に、世の中には怨みを残して死んだ人間
 多いんやぞ」っていう気持ち。
11
吉澤、アプリでちょっと盛っただけでかなり可愛くなるんだから、
やっぱ元々の素材が強いのではなかろうか。

やはり、すっぴん「風」が一番強いんだろうなーなどと。
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この両手合わせて切り合う遊び、知ってるような知らないような
微妙なラインでしばらく考え込んでしまった。

やったことあるような……知ってるような……
いやでも、今知ったような……?
とりあえず北原さんが乳首弱そうなのが知れて良かった。

ということで、「惰性67パーセント」新刊も相変わらず大満足でした。

大きく作風が変わったワケではないんだけど、序盤より露悪的エロ話が減り、
登場人物間の和気藹々の掛け合いが強まって、個人的には凄くマイルドに
読みやすくなっている感じを受ける。

どんな物語もそうだけど、やっぱ長く続くためには
ギミックや企画・尖った魅力以上に「キャラクターの魅力」、
「キャラクター同士のセッションによる化学反応」みたいなのが
大事になってくるんだろうなーと。
すいません、自分でも全然分かってないことを知ったように語りました。

なんとなくだけど、本作に関してはモラトリアム的にエピソードを繋ぐのではなく、
ちゃんと時系列が進んで、しっかりした着地をするんじゃないかな~と予想をしている。
次の巻も楽しみだのう。