1
この禍々しい赤の表紙。
「絶対に軽い内容じゃないな」って分かるこの雰囲気。たまんねえな!

NON先生の作品、「デリバリーシンデレラ」をちょいちょい読んでたくらいで
そんなに読めてなかったので、評判のいい「徒花」読んでみようと思います。
美麗作画で素晴らしいんだよな~。

感想書いていきます。それではどうぞ。

2
冒頭から明らかにエグいシーンから始まり震える。

1ページ目を見て「次は少女が凶器を持ってる見開きだろうな」って
身構えながらめくったんだけど、糸ノコとは思ってなかったぜ……。

「死体と糸ノコ」から連想されることは一つだが、まあ一旦忘れて
読みすすめることにする。ミスリードかもしれんからな。

「吹雪のなか、泣きながら死体を前にする美少女」というビジュアルからは
「ミスミソウ」をちょっと思い出すな。アレはひどい話でしたね……。
3
不穏な雰囲気を醸し出すのと同時に、会話と動きによって必要な情報を
読者に送り込むイントロ。

こういう「一つのシーンに複数の役割をもたせる」感じ、プロのネームならでは
って感じがして痺れるものがある。
あとやっぱり、作画が精緻だからこそ出せる空気感がサスペンスにおいては
重要だな~って思わされるのう。

……そして。
4
1ページで三回も「レイプ」と口走るおじさんが登場し、事件は起こる。
妙にウキウキしてる感じが生々しくて笑う。

友情と抑圧からの解放、それに殺人という非日常の行為が一直線に結びついて
一話から「一体コレどういうことなんだ?」という気持ちにさせられる。
5
本人の供述というかたちで話が進んでいくのもサスペンスとして面白い。

いわゆる「信頼出来ない語り手」ではないか? という疑念がつきまとうことで
緊張感が持続するイメージ。
6
案の定というか、なんか行動が極端で「なんか隠してんじゃねえのか?」
或いは「この子もちょっとおかしくねえか?」感が漂いだし、
視点人物含めてみんな信用できない状況に陥ってくる。

これぞサスペンスって感じでいいですね。
7
無意味にセクシーを振りまくお姉さん好き。
喫煙者かつ険のある顔立ちなんだけど、なんか人情味があるのが分かって
魅力的なキャラクターになってると思う。
サイコメトラーEIJIの志摩さんみたいなイメージ。志摩さんも好きだったな俺。

ということで六話にしてようやく、前提となる状況及び「謎」が提示され、
やっと読者に沿う視点人物が出てきて、ちょっとホッとする。
8
桶川事件の名前が具体的に出てきたのはちょっとビックリした。
なんか意味があるんだろうか。
フレーバーテキスト的な使い方はしないよな。

わざわざ実在する、しかもそこまで大昔でもない事件の名称を
挙げる以上、テーマになにかしら関わってくると予想する。
9
上巻の時点ではまだ事件のアウトラインすら朧げで、まだ何も分からないが
なんというか「ミステリ映画の前半45分」を見ているような、
「みんな何かを隠してウソをついている」感が終始漂っていて実に楽しいですね……。

現時点では色んな可能性があってストーリーは読めないんだけど、
「トリッキーな動機によるマコの自殺をミズキ幇助した」とかそういう
どんでん返し的な方向があるかも知れんな~、とボンヤリ思っています。
根拠はないけど。

これはもう早く続きが読みたいので、すぐ続きを読もうと思います。
上・中・下巻の三冊しかないのでサクッとamazonで買おう。
ご清聴有難うございました。