1
満州アヘンスクワッド! 略して満アヘの二巻で御座います。
表紙は主人公の勇。言ってみればモブ顔ではあるんだが、
目の傷ワンポイントでグッと存在感が出ていていいデザインだなーと思う。

一巻の主人公が麗華だったのは、ふたりセットで主人公という扱いなのか
単純に一巻の表紙が勇だと売上に関わるという判断があったのだろうか。

感想を書いていきます。
よろしくおねがいいたします。

2
子供の売人、リンを味方に引き入れるところから話が始まる。

怪しまれにくい子供を売人に仕立て上げるというのは理に適ってはいるよな。
少年兵とかもそうだけど、子供を利用することに眉を顰められる倫理観ってのは
ある意味で余裕がある社会でないと醸成されない。

リンの「能力」は、アウトローものでは定番に近いものかも知れない。
銀行強盗とか「主人公サイドが複数人で犯罪行為をする」系のプロットで
この手の記憶系能力をよく見る
ような……気がする。

これは俺の狭い観測範囲から導き出した印象論なので、
まるでトンチンカンなことを書いているかも知れないです。
3
発煙筒作成の手順。

こういう説明をしっかり入れると説得力が全然違ってくるので大事な点。
ただ一方で「説明」に時間をかけないことも作劇上重要なので、
1コマで済ませてるのが素晴らしい。

作る側からすると、うんちくしっかり入れたくなるからバランス取りが
大変だろうなあと思う。
4
このリン救出のくだり、話運びがものすごいスピーディで、
いい意味でメッチャ荒々しくてちょっと興奮した。

「リンの両親の回想~実は両親死んでました~救出~ちょっと反発~
 勇の家族失った話~家族になろう」の一連の流れが、なんというか
「機能的」ですごいロジカルにネームが切られてることが分かる。勉強になる。

ここで変にキャラが曇ったり愁嘆場めいた話に尺を使っても
意味が無いという判断だったと思うし、それは間違ってないだろう。

ただ、さすがにリンの感情の流れが急激過ぎて若干の置いてきぼり感はあった。
いくらなんでも両親の死を引きずらなさすぎじゃね? という。
でもこの救出エピソードにもう一話使われてもモタつくのは間違いない。

最終的に「求婚されてる!?」のコマの可愛さでなんか満足出来たので、
漫画ってのは奥が深いなーと感じ入る次第である。
5
一瞬「シャイニング」かな? と思ったけど、冷静に見比べたら
特に似てなかったコマ。

ポッと出の敵も、濃い味付けがされていてイイな~と思う。
6
生産体制と輸送ルートの確保に続き、拠点防衛を考えるというの、
当たり前といえば当たり前の手順かも知れないが、ストラテジー的な
高揚感があって非常にいい
ですね……。高まりますね……。

現状の味方パーティ、「女子供」って感じで武力ゼロだから
割とマジで薄氷の状況なんだよな。
7
そして、満州の物語にモンゴル人達が関わってくる。

ここも一悶着からの和解がさらっと進められていて、
そこにちゃんとカタルシスがあって気持ちがいいなあと。
勇の「知識と度胸で道を切り拓く」って立ち回りが主人公らしくて良い。
8
あと、どんな漫画でもそうだろうけど「レギュラーキャラが増えていく」というの、
やっぱいいものがありますね……。

レギュラー同士の掛け合いが増えることでキャラクターが深堀りされていき、
その世界そのものが広がっていく。その過程はいいものだ。
「キャラは一人では立たない」とは蓋し至言である。

リンの登場から仲間入りの経緯を「乱暴」って書いたけど、
実際あそこで勇にデレてなかったらキャラとして薄かったはずなので
明らかに正解なんだなあと。
9
そして、満州関連の歴史なんて全然知らない俺でも、名前くらいは
知っている李香蘭モデルのキャラクターが登場する。

さすがに本人そのままで阿片作りチームに関わらせたら問題がありすぎるので別名か。
というか調べたら史実の本人2014年まで存命だったらしくビビる。
ついこないだじゃねーか。

しかし史実モデルの人物が出てくるとテンションが上がるのは間違いないね。
どういう風に描かれていくんだろう。
10
勇、将来的にものすごいスケコマシになりそうな片鱗が垣間見えて良いな。
いや、実際になるかは知らんけども。

といったところで二巻はここまで。
メインキャラクターが出揃ってきて、それらが有機的に絡みだし
ストーリーが周りだしてきて「こっからグングン面白くなりそう」って感じがすごい。

一巻の感想と重複するけど「ハードな舞台・テーマが選ばれていて、実際ハードな
展開も多いんだけど、キャラクターや演出は結構カジュアル」という味付けで、
その落差に戸惑うところもあるが、独特の味わいにもなってると思う。
生ハムメロン的な。ちょっとこの比喩があってるか自信がない。

次巻も読んでいこうと思います。
ご清聴有難うございました。