
NON先生の「徒花」、上巻に引き続き、中巻も読んでみようと思います。
表紙の英文、なんて書いてんだろうか。

と思ってgoogle翻訳に突っ込んだら「耐えられない花 咲いても実ります。
言い換えれば、何かそれは実体なしで存在します」とのことで、
全然分かんねえよちくしょう! ってなりましたね。
それでも2021年の自動翻訳かコノヤロウ!
まあタイトルが「徒花」なんだから「実を結ばない花」について触れているのは
想像に難くない。実を結ばずに散った花は見えないけど存在してる的なことだろうか。
全然分かんねえよちくしょう! ってなりましたね。
それでも2021年の自動翻訳かコノヤロウ!
まあタイトルが「徒花」なんだから「実を結ばない花」について触れているのは
想像に難くない。実を結ばずに散った花は見えないけど存在してる的なことだろうか。
感想書いていきます。それではどうぞ。

中巻ではマコ目線で過去の経緯が描かれる。
この、視点人物が入れ替わって、見る・見られるの関係性が転回することで
新しい情報や発見が出てきて、事件の全貌に少しずつ迫っていく感じ、
いかにもミステリって感じでたまらんやね。
ミヅキは、上巻の時点で明らかに読者に対しても警察に対しても
「信頼できない語り手」って感じだったので、第三者視点から
彼女の本当の素顔が見えるのは興味深いところ。

鼻の影とかまで描き込んでるのに、ちゃんと美少女顔で
絵が上手くないと出来ない芸当だよな~~と思いました。
記号的なディフォルメに頼らないのホントすごいなと。
あと仲良し女子二人ではあるんだけど、同性愛的な雰囲気は
一切漂わせてないのも良いなと思う。混じりっけナシの「友情」だ。
ここで百合が香ると話のテーマがブレまくるから当然かも知れない。

この流れからまた出てくるだろうなとは思っていたが、
やはりこの叔父さんが再登場。
超汚いオナニーシーンを何回も見せてくれるサービス要員である。
陰湿かつ粘着質で最高潮にキモく描かれてるんだけど、出てくるたびに
異常なハイテンションでちょっと笑ってしまうところがある。
でもこう……決して絵空事じゃなくて、場違いな状況で欲情した男って
特有の「お祭り感」みたいな変なノリが実際あると思うんよね。
滑稽で、かつ醜悪で、そしてそれが男である自分の裡にもあるのではないか、
という非常に寒々しい気持ちにさせられる。

周辺環境に追い詰められつつも夢について語る二人の少女。
「私のために書いてよ」のコマの横顔が最高に美しく描かれていて
叙情的な名シーンだと思う。切ない。
40のオッサンの俺は「夢」ってのがどういうものかよ~く分かっているので
尚更悲しい気持ちにさせられますね……。

そしてセンパイとの出会い。
もうなんかこう……不穏な気配しかしなくてゾワゾワしますね……。
階段を降りるシーンに「堕ちてしまった」ってモノローグかぶせるの
イヤな演出だな!

わざわざ上巻で実在の事件である桶川ストーカー殺人にあえて触れていたが、
やはり作品のテーマ的に重要なポイントになりそうだ。
警察の怠慢や法の不備を訴えるのは容易いけど、現実問題として
このレベルのやっこい案件に警察がガンガン首つっこんでたら
別の問題が山のように出てくるだろうし、簡単な解決法は存在しないよなー。
「最悪なんの罪もない女性が理不尽に命を奪われる」というクソ極まりない話なので
「解決法はないよなー」って諦めていいことではない。
桶川の事件とか、細かく調べると胸糞悪すぎてキレそうになるからね……。

あの男を「可哀想」と表現するマコの心中を思うと胸が痛いな……。
これはつらい。
このように中巻は全編に渡りものすっごい凄惨な感じで話は進んでいき、
そして上巻に物語は繋がっていく。ゾクゾクしますね……色んな意味で。
上巻と対比される殺害シーンの描写が本当に見事。
中巻全体でずっとひどい目にあって我慢してきたマコがついに
感情を顕にするという昏いカタルシスもある。
読者としてもあのオッサンは「汚いもの見せやがって」という感情があるので、
殺されると正直「ヨシ!」感があるよな。
上巻中巻と2KILLされてくれて嬉しかったので、下巻でもう一回お代わりがほしい。
……といったところで中巻は終了。
物語のバックボーンは概ね明らかになった……ように見えるが
ここからなにかツイストが入るのか、あるいは静かに収束させていくのか。
何をどう考えてもハッピーエンドにはならない物語なので、
どう畳むのかがスゲー楽しみ。すぐに下巻読もうと思います。
……と思ったらこれ書いてる2021/7/11現在まだ発売されてなかったよ!
うわあああ続きよみてえ!
読んだら感想書きます。
ご清聴有難うございました。