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ヴィンランド・サガ新刊出たので早速買ってまいりました!
待ってた! というか刊行ペース安定してて嬉しいなあ!

ヴィンランド開拓という「本編」にようやく到達した感があって
ワクワクしております。感想書いていきます。宜しくどうぞ。

まず、歳月を経てすっかり耄碌してしまったレイフさんのエピソード。

ジジイではあれど、なんだかんだでずっと溌剌とした冒険家として
登場していたレイフさんが、すっかりおじいちゃん化した姿は
一巻から読んでいる読者にとっても衝撃的である。

実生活でも、矍鑠とした人がいきなりズドンと老ける姿を
見る機会が増えてきたので尚更響くものがあるな……!
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とはいえ、ボケたワケではない。
トルフィンと擬似的な父子としての交歓がある。

この「息子よ」でトールズとアシェラッドが重なるシーン、
恩讐を超えて「トールズよりずっと先に」進もうとしているトルフィンを、
彼らがずっと見守っているという暖かさがあって実にいい。

「息子よ」で言うと、ヒストリエのあのシーンとも重なるところがある。
個人的に、ヒストリエのアレも感動的ではあったんだけど、ちょっとだけ
「あの関係性でそこまでの感情になるかな」って引っかかりもあったな……。
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バッサリ描かれなかった二年間の「東への旅」については、
思い出話で多少触れられていく。
こういう風に触れてくれると「こういう旅だったのかな?」みたいな
妄想が膨らんで楽しいですね……。

「ミクラガルド編も見てみたかったな」という気持ちも若干なくはないが、
それが仮にどれほど面白いエピソードになってたとしても、
「ヴィンランドに行くためのお金を手に入れるための話」と考えると
迂遠すぎて楽しみづらいだろうし、やっぱオールカットは正解だったと思う。
(カットというか、元々幸村先生描く気なかったのかも知れないが)

あの、比較対象として出すのもなんだけど、「ベルセルク」の
「妖精郷に向かう旅路」って、マンガとしては超面白かったけど、
「キャスカをもとに戻すための旅」というのが最終目標と直結してないだけに
ちょっと乗りづらいところが個人的にはどうしてもあって。

そういう感じにならないためにも大きめのショートカットは大河物として
必要な処理だったのではないかと改めて思いました。
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いわゆる天測航法での船旅。
ちょっとしたウンチクであって、数コマとナレーションで
サラリと流されるんだけど、こういう表現が一つあるだけで
グッと歴史漫画として締まるよね。

中世くらいまで、外洋に出ること自体が狂気の沙汰だったんじゃなかろうか
という感覚がどうしてもあるが、まあ命がけであることは間違いないだろう。
ともあれ本作上では「船旅で大わらわ」とか海戦とか描かれることなく進んでいく。
読者的にも、この辺でウダウダやられても困るので読みやすいね。

というか25巻通してそうだけど、変に曇ったりトラブったりが全然無くて快適やね。
これまでトルフィンの旅路はそういうのばっかりだったからな……。
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カルリとの絡みが妙に多いヒルドさん。

狩人としての側面と、エンジニアとしての側面が両方描かれてて
孤立しつつも、いい感じに「仲間」として馴染んできた感じがある。

水平線や地平線を見て理解できず困惑するギョロや、
仮説を立てて理解しようとするヒルドさん等、当時のボンヤリとした
科学的理解の表現も興味深くて面白いところ。

ヒルドさんは、さすがにトルフィンを許すということは全くないにせよ
ちょっとずつ理解し歩み寄る姿勢も見せつつある。
24巻であの調子だったので、そう距離が狭まるものでもないとは思うし、
恨みとは水に流せるものではないのだが、それでも「仲間」になって欲しいものだなー。
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この、離脱しようとする人々を止めず、むしろ「中継拠点」として
活用しようとするトルフィンのシーン、グッときましたね……。
視野の広さと冷静さが垣間見える。

確かに長い長い補給線に沿った中継基地が重要なのは感覚的によく分かる。
それをヒルドさんが「戦士」の目線だと感じるのも面白いところ。
どこまで行っても、トルフィンの考え方や目線のベースは、
最初の職業である「戦士」であるのは間違いないのだろうな……。
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入植する「5つの条件」、非常にストラテジー感があって好き。
新しい土地を開拓し入居するにあたり、非常に妥当な条件である。
真水は本当に大事だよな……。

そして、それがアッサリ見つかるスピード感も良かった。
この辺、決してご都合主義的にせずに、それでいてテンポ良く描かれている。
ダラダラ目的地探す話、ぶっちゃけ面白くないもんな。
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考えたらトルフィン、戦士で海賊で奴隷で木こりで船乗りで商人で、
色んな経験を蓄積してきた男なんだよな……。
長い物語の中で様々すぎる場数を踏んでいるのを見てきたので、
万能多才であることの説得力が違う。

二年の旅路で、「商人」としての如才無いところも加わって
すごく魅力的なキャラクターに育った感がある。
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ここにきて、旅の始まりの動機そのものであるアルネイズの名前が出る。
読者からすると単なる「懐かしい名」ではあるが、この二人にとっては
そりゃ本当に何よりも忘れがたい人だよな……。

ヴィンランド開拓は、彼女の死に対するある種の復讐とすら言える。
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ギョロがしれっと仲間に戻ってきて、かつ役に立ってるの嬉しくなるね……。

コメディリリーフ的な立ち回りをしつつ、締めるトコはしっかり締めるし
無能でイライラさせたりもしない、いいキャラクターだと思う。

というか「コメディリリーフ」ってホント、扱いが難しい存在だと思う。
難しいけど、一切出てこないのも息苦しいから物語には必要で。
だからといって「必要だから入れてみました」みたいなのは
本当に機能しないからな……。
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イーヴァルさんとは最初から揉めがちで、引き続き思想的には噛み合わないが
まだ深刻な対立には至ってない温度感である。
とはいえ、彼が持ち込んだ剣が一悶着起こしそうではあるが……。

トルフィンの戦闘能力を知ればまた意見も変わってきそうだが、
そこ評価されるのも微妙だし、どういう落とし所が待っているだろうか。
そもそも今後トルフィンがしっかり戦うのかどうかも分からないよなー。
少なくとも先住民と交戦するハメになったらマズイわけだが、
史実の事績を考えても戦わないってことは無いよな多分……。

とまれ、イーヴァルさん根っから悪いヤツではなさそうな感じなので、
仲間としていい感じのポジションに収まってほしいところだなー。
戦闘力的にも、多分一線級では無いような感じがあるがどうだろうねえ。
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「戦いを嫌うがゆえに、戦士として一級品」、みたいなヤツが
これから先住民の中に出てくるのではないか、という不吉な予感。
普通に考えたら出てくるんだろうなー。

先住民達は、明らかに思想的に完全に受け入れてくれそうにないし……、
というか「先住民と開拓民が手と手を取り合って」というのは
歴史を思えばまるで現実味が無いので、一体どうなるかな~という。

ともあれ、25巻単体で見ると「開拓が順調に進んだ」というイメージで、
トルフィンも珍しく曇ったり苦しんだりしなくて済んで
なんというかホッとしましたね……。読書ストレスが少ない。

いや、順風満帆じゃドラマにならないけど、必要以上にもうトルフィンに
精神的葛藤でモゴモゴしてほしくないという気持ちがある。
この二年後の開拓編は、課題が出てきても前向きに突っ込んでいって欲しいぜ。

ということで、相変わらず話は超面白いし、作画も超クオリティ高くて
大満足でしたね……。ホント、ヴィンランド・サガはずっと面白い。
一時期、ちょっとアシスタントらしきモブ作画が悪目立ちしてた時期が
あったような気がしたんだけど、ここ最近はカッチリ持ち直してる印象。

続きも楽しみだのう。