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センゴク、もう新刊出てたので買いました。
週刊連載はホンット刊行早くて嬉しいですな。

「秀次のバックに秀吉」という、今後を考えると不穏極まりない表紙に興奮するぜ。
感想を書いていきます。よろしくどうぞ。
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唐入り開始からの経緯がまず語られていく。

秀吉・家康らの渡海はなんだかんだでウヤムヤになくなり、
奉行衆だけが前線で武辺者達を統制するという、考えるだに
「イヤ、そりゃムリだろ」という状況が起きる。

こういう独裁者の「試行錯誤」に周囲が振り回されるの、
(当事者でなければ)面白いよな~と。

会社でも似たようなパターンを見たことがあるんだけど、
有能な独裁権力者が老いて退場するときの混乱って、
本当に「正解がない」って感じでエグい。
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唐入りについては終始ナレーションだけで進行していくので、
ストーリー漫画というより、ちょっと「まんがでわかる朝鮮出兵」みたいな
雰囲気すらある
のだが、これはこれでテンポが良くていいなと思う。

というのも「唐入り」について現地で発生するドラマをしっかり描いても、
ぶっちゃけ面白くならない気がするんですよね……。

読者サイドも「明・朝鮮・日本ともに損するだけの不毛な消耗戦」って
分かってるから戦に勝っても負けてもテンション上がらないし。
あと戦場のエピソードが、こう……鼻削いだり、兵糧攻めで地獄見たり
陰惨で作品全体のトーンが暗くなりそう。
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更に秀吉の母堂の死。

センゴクにおける大政所は比較的チョイ役的な登場が多かったが、
秀吉に対してちゃんとした意見を言える賢母として描かれていて
一定の存在感を出していたと思う。
そういや「へうげもの」だと妖怪みたいな描かれ方してたな……。

移動中の船が座礁して、船頭が処刑されるくだりがサラッと入ってきて、
改めてこの時代の恐ろしさに思いを馳せる。
秀吉個人の独裁体制ゆえ……と一瞬思ったけど、よく考えたら
国のトップの船座礁させてたらクビ(物理)になるのは別に当たり前のことか。
信長だったとしても家康だったとしても斬られてるだろうし。

そういや旭(秀吉の妹)が病死したとき、祈祷する人とか責められたりしたのかな?
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唐入りの店じまいで、諸将の目を逸らすために、手頃な将を
スケープゴートにするという、いつの世でもあるであろう政治的処理。
「ナポレオン」でもジュノーがやらかしたときに言われてたな。

大友義統はこれによって相当人生をメチャクチャにされるんだよな……。
同じようなことしてても有能な将は許されてるので可哀想ではある。
島津忠辰の名前は初めて知ったが、ググってもロクな情報が出てこなかったぜ。
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本作において秀吉は、鶴松も秀頼も自分の実子でないことを「薄々勘付いている」
ではなく「明確に理解している」という感じの描かれ方だなー。

鶴松懐妊のときの、種付けのエピソードも相当シュールに感じたんだけど
なんか史料にある話なのかな?
いやでも、あの種付け方法がアリなら茶々以外が懐妊してもおかしくないよね?

あと、大体茶々のライバルとして描かれがちな京極竜子さんが、本作では
すごい茶々に気を配る姉御的な立ち回りで新鮮に感じるなー。
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それから我らが主人公センゴクの話。
「湯屋普請で出世」というとんでもなく地味なエピソードが却ってらしいな~。

非常にジワジワとだが、政治的な理解力とかも成長してるフシがあって
バリバリ戦してるときより面白く感じる。
ちょうど今の俺と同い年(40)なのもあって共感してしまうぜ。

あとサラッと「古織の奴」って言っててちょっとビックリした。
初対面のとき、わざわざ名乗らなかったので、どこかで名乗るエピソードが
入ってくるのかと思ってたぜ。
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秀久の周辺には、「知的なツッコミ役」が居たほうがいいと前々から思ってて、
それゆえに津田妙算の離脱が結構痛かったんだけど、
いまは無用ノ介がある程度そのポジションに収まってて嬉しいなー。

一人くらいこういう立ち位置がいないと仙石本人と家臣団含めて
「脳筋集団」っぽくなってしまって、魅力が減じる部分があるので。
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その流れでいうと、仙石の部下達が出てくるたびに傾城屋のくだりが出てくるの、
単行本でまとめて読むと正直ちょっとウザくはあったな……。
一冊の中で五回くらい言ってなかった?

お前らそれしかないのかよ、という。
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秀久の「いずれは自分も秀吉の死を願うようになるかもしれない」という懸念は
「オレだけは違う」と分かりやすく古参の忠臣ぶるよりもリアルでいいなあ。

どうあれ、政権中枢とまるで関係の無い立ち位置から、天下人について忖度するの
つくづく独特のポジションの主人公だよな~と思う。
バリバリ政権中枢にいる「へうげもの」の織部とかとは全く視座が違うが、
それでも「天下人の数少ない理解者」という意味で通じるものもあるのかも知れない。
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伊東丹後、ちょっとカッコよくて気に入ってたので、再登場してくれて嬉しかったな。
知的な武人って佇まいが実に渋い。

詳しく知らなかったけど、ググッたら歴史の超重要イベントでメチャクチャ
うまいこと立ち回ってるスゲー人だった。
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急に後半「喧しい」という言葉が色んなキャラから放たれて、
ちょっと違和感というか、「センゴク」ってたまにこういうことあるよな。

色んなキャラが急に口癖みたいに「否とよ」って使い始めるみたいな。
なんらかの演出意図があって俺が汲み取れてないだけかも知れない。
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そして「果たしてセンゴク作中でどう拾うかな?」って思ってた石川五右衛門
ちゃんと24巻にて描かれた。

マトモな史料がそんなに無い「伝説上の存在」で、実在も怪しいところだけど
そのくせ仙石秀久の物語としては触れざるを得ない役回りであり、
扱いが難しかったのではないかと想像する。

直前まで唐入りやら何やらの現実的な政治的駆け引きが続いていただけに、
ここだけちょっとリアリティレベルが変わる印象すらある。

ただ、むやみに主人公のライバルとしてキャラクターを盛ったり、
或いはアクション面で見せ場を作ったりはしない非常に滋味ある描写で、
今のセンゴクらしいな~って思いました。山崎新平のときとは明らかに違う。

「信長が死んだときの血の滾りをもう一度」というのも、分かりやすい動機で
なかなかグッと来た。というか本能寺から十年も経ってるんだよな。
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24巻では唐入り一回目が終了する直前までで、後世の人間である俺らからすると
「まだギリ取り返しが効く状況」ってところであるが……。

次巻から「秀次事件~唐入り二回目」という地獄絵図が始まること確定なワケで、
実に楽しみだのう。崩壊していく様を観察したいという昏い愉悦がある。

毎回感想で書いてる気がするけど、センゴク最終章はどこまで描くんだろ?
ここまで描いておいて、秀吉が死ぬ前に終わったらポカーンだし、
関ヶ原を描くなら「関ヶ原戦記」に仕切り直す気がするので、
やっぱ秀吉の死で物語終了かなあ。仙石秀久の物語として収まりもいいし。

年内に続刊が読めるようなので楽しみに待ちたいと思います。ワクワクするねぇ~。