
2巻メッチャ面白くて、即買いしました葬送のフリーレン3巻。
表紙も分かりやすい敵対構造でいいですね~。
既に表紙の敵キャラ一匹死んでるような気もするが。
感想を書いていきます。よろしくどうぞ。

本作の、前フリ・事前準備ターンに時間をかけつつ、
戦闘そのものはサクッと展開する感じのバランス、好きですね……。
あと前巻の感想でも書いたけど、あんまギャーギャー叫んだり感情を顕にしないのも
実に味わいがあって好ましい作風だなあ。
「結界師」とかもこの感じがあった気がする。サンデーならではなんだろうか。
編集者さんって結構「もっと過剰に表現しないと読者に伝わらないよ」みたいなこと
言うイメージがある(実際言われたことある)ので、尚更そう思う。

それにしたってアウラ本人も含めサックリ魔族負けたな、という感じではあったが
まあ苦戦されてもアレだし、このくらいのスピード感でちょうどいいか。
本作における「魔族」の独特の価値観は、飲み込みづらさが多少あったが、
ただの敵役・悪役に留まらない独自性に繋がっていると思う。
しかしホント、ハイファンタジーともローファンタジーとも言えない微妙な
世界観バランスだよなあこの漫画。不思議な作風だとつくづく思う。

フェルンがどんどん魅力的になっている感じがして嬉しい。
クール美少女キャラというだけなら珍しくないわけだけど
序盤の仲間入りや修行の経緯がしっかり描かれているからこそ、
ギャップがちゃんと魅力になっている。
なんだかんだ師匠大好きなところもチャームポイントだし。

魔力制限することが「魔法を愚弄する卑怯な行為」という理屈、
ちょっとスムーズに飲み込みづらいところがある。
少なくとも俺は「そういうものなのかな?」って首を傾げながら理解した感じ。
また「魔力制限による奇襲で倒す」というのも、ストレートなカタルシスには
全くつながらないものがあって、本作らしいとは思いつつも複雑な気持ち。
ただ敵に自害を命じて決着をつけるのは味があってよかったな。
アウラさん、部下以上に魅力無かったが、まあコイツ掘り下げてもしょうがねえか。

フリーレンの過去が描かれると、そのタイムスパンの長さがグッときますね……。
時系列がガンガン流れるとSFっぽいというか、「火の鳥」的なスケール感が出て
読んでて興奮するぜ。

エルフのモンクのエピソード、また一話完結に戻ったという嬉しさがある。
しかしせっかくの同族との接点をこんなサラリと使っていいんだろうか。
キャラクターもしっかり立ててたし、さすがにまたどこかで出てくるのかな?

読み進めていくにつれ「シュタルク、肉体的に頑強過ぎない?」という感覚が
ちょっと出てきたな……。防御魔法でカバーされたとかじゃないよね?
アウラの部下との戦闘でも、斧攻撃に対してダメージほとんど無かったし。
戦士として有能なんだとは思うが、耐久性については根拠が良く分からないぜ。
「ハデな攻撃を食らったけどノーダメ」描写が増えると緊張感が薄れるので
ここはなんかしら理由付けが欲しいと少し思う。

地味に時系列がちょっとずつ進んでるの好きだな……。
ちゃんとメイン人物も成長したり加齢していく感じがいい。

そして、新キャラ仲間入りエピソード? ……が始まるところで3巻は終了。
パーティバランス的に、次は僧侶だろうな~って感じだったので妥当ではある。
「身ぐるみ剥がされてる!」の天丼はちょっと笑ってしまった。
勇者パーティもそうだけど、やっぱメインメンバーは4人だと
漫画的にも収まりがいいし、是非仲間になってほしいところやね。
しかし最初からずっとだけど「終始ダウナーかつオフビートに進むファンタジー漫画」って、
意外とあるようで無いので新鮮でいいよなあ。
「なろう」くらいローファンタジーになると鼻白むので、本作のノリは好みである。
ただ、このノリでずっと何十巻も続けられるものなのだろうか。
気になるので今後も追っていきたいと思います。面白かった。
ご清聴有難うございました。