最近、読んだけど特に感想記事書いてなかった漫画が割とあるので、
読んだことの履歴がてら、箇条書きでガガッと書いてみようと思います。
対象は以下の通り。

小出もと貴「iメンター すべては遺伝子に支配された」1巻
比村奇石「月曜日のたわわ」1巻
宮崎夏次系「あなたはブンちゃんの恋」1巻
惣領冬実「チェーザレ 破壊の創造者」1巻

宜しくお願い致します。

iメンター すべては遺伝子に支配された(1) (モーニングコミックス)
小出もと貴「iメンター すべては遺伝子に支配された」1巻

・遺伝子情報を元に支配されるというディストピアもの。
・オムニバス形式で進みつつ、大きな物語も進捗するタイプの構成大好き。
・また、そのオムニバスの物語ひとつひとつが「世にも奇妙な物語」的に高品質。
 細かなツイストが小気味いい。
・突拍子もない設定に細かいディティールでリアリティを出せて……いるかと
 言われると正直微妙で、あくまでエンタメを重視したスタンスのように思う。
 そういう意味では純SFではないかもしれない。
・これだけの人権侵害や倫理的破綻をしている組織にしては、全体的にちょっと
 アナログに管理しすぎてないか? という感が少しある。
 意外と現実もそういうとこあるから、一概にリアリティ欠如とも言い切れない。
2
・細密かつ割と無機質な画風は物語設定に合っていて良いなー。

月曜日のたわわ 青版(1) (ヤングマガジンコミックス)
比村奇石「月曜日のたわわ」1巻

・ツイッターで大人気のイラスト作品を漫画化したもの。
・ゆえに美少女作画は言うまでもなく研ぎ澄まされたものがある。実際可愛い。
・「脇役」には全て目が描かれておらず、徹底してヒロインを魅せるための構成。
 イラストならともかく漫画でそれを継続するのは挑戦的だなーと。
・人物の相関とかも含めてヒロインを魅せるための素材で「ラブコメ」ではないと思う。
・新聞広告に使われたことで今まさに炎上中だが、特にその議論については
 提示するほどの私見・持論はない。ゾーニングというものは難しい。
・ラッキースケベという概念は結構ハイコンテクストなのかも知れないなと、
 改めて認識させられるものがあった。
・イラスト単体では気にならなかった部分が漫画にしてモノローグを入れたことで
 若干悪目立ちしているような気はする。うまくボカしていたものが露骨になったというか。
・漫画版とは関係ないが「月曜更新」ってコンテンツとしてすごく良い要素だなと。
 まさに作品のコンセプトそのものだけど「月曜日に楽しみなこと」があるのは
 会社員の生活にとって非常に重要なものだと思う。

あなたはブンちゃんの恋(1) (モーニングコミックス)
宮崎夏次系「あなたはブンちゃんの恋」1巻

・女×女×悪霊の三角関係を描くラブストーリー……? なのかな?
・読みながら「モーニング・ツーっぽい!」と感じて調べたら案の定だった。
 ただ、何をもってそれを感じたか言語化出来ないものがある。
・この荒々しい描線と陰影の生み出す一種の閉塞感が物語と噛み合ってる。
 なんというか、そこまで暗い話でもないのに、悪い夢のような世界観。
・第一話のキレキレのネームが素晴らしくて一気に引き込まれてしまった。
・26ページ目で第一話終わりかと錯覚してしまったが勘違いだった。
 ここで終わるなら「凄く綺麗にオチる読み切り」として成立するなあ。
・シモジがパスケースに飛び込む絵のインパクトすげえな……!
 ギャグスレスレ、ではなく普通にギャグの勢い。
・ただこのシリアスとギャグを区別しないような描き方が独特のドライブ感を生んでいる。
・二話も演出が強烈に前衛的ですげえしオチもひどくて笑う。
・「片想い」という非常に分かりやすく共感しやすいものが軸にあるからこそ
 演出や展開が豪快でも読者がついていけるのではなかろうか。

チェーザレ(1) 破壊の創造者 チェーザレ 破壊の創造者 (モーニングコミックス)
惣領冬実「チェーザレ 破壊の創造者」1巻

・昔、途中まで読んだことがあり再読。
・チェーザレ・ボルジアを主人公とした累計120万部突破の大ヒット歴史漫画。
・歴史ものは、詳しく知らない読者への状況説明がスゲー大変になるんだけど、
 今作はナレーションではなく長ゼリフで状況説明するタイプのスタンス。
 なんとなくだけど少女漫画出身の作家さんが歴史ものを描くと
 こういう感じになる……という漠然としたイメージがある。
・重要なのはその長ゼリフを読み飛ばしても大筋が理解出来るということ。
・イタリアの地名・人名や歴史的背景を全く知らない俺でも
 なんとなくボンヤリとは状況が把握できるので凄い構成力だよなーと。
・視点人物を含めた「キャラクターの魅力」と「ドラマの面白さ」がちゃんと
 両立されているからこそだと思う。大ベテランの手練手管という感じだ。
・狂言回しのアンジェロが非常に親しみやすいキャラクターで、かつ
 無知であるがゆえの読者視点を担っている。本当に巧みだと思う。
・作画も細密・美麗かつ時代考証カッチリ感がすごい。エゲつない。