最近、読んだけど特に感想記事書いてなかった漫画が割とあるので、
読んだことの履歴がてら、箇条書きでガガッと書いてみようと思います。
対象は以下の通り。

手塚治虫「アドルフに告ぐ」1巻
殆ど死んでいる「異世界おじさん」1巻
河部真道「鬼ゴロシ」1巻

この記事は9月にアップされる予定ですが、書いたのは8月なので
「8月編」としております。

宜しくお願い致します。
アドルフに告ぐ 1
手塚治虫「アドルフに告ぐ」1巻

・漫画の神様のアレ。恥ずかしい話なんスけど、実は未読だったんですよ(テヘッ)。
 というか地味に俺、手塚作品結構読めてないんだよな。
 もちろん「三つ目がとおる」とか「ブラックジャック」とか「火の鳥」とか
 「七色いんこ」とか「バンパイア」とか「どろろ」とか、そういう定番中の定番は
 全部読んでるんだけど。そういや地味に「きりひと賛歌」も読んでないな!
・好きな手塚作品は「ザ・クレーター」と「アラバスター」です。
 子供の頃にアラバスター読んだので当然のように性癖が歪んだ。
 透明人間の女の子を強姦してからスプレーで色塗るってどういう辱め方だよ……。
・昔の漫画ということを差し引いても、コマ割りや場面転換がなんか独特で
 最初ちょっと読むのに苦労した面がある。
 ナチスやドイツ周りに多少の予備知識を持った今ですらちょっと感じたので、
 子供の頃に読んでたら人物の相関とかワケ分からなかっただろうなー、などと
 不思議な感慨を抱いたりした。
・弟の復讐とはいえ、視点人物がいきなり処女を強姦して自殺に追い込むのハード過ぎる。
・今更こんなことを言うけど、アセチレン・ランプの「悪役俳優」ぶりはホントいいよな……。

異世界おじさん 1 (MFC)
殆ど死んでいる「異世界おじさん」1巻

・異世界ものに全く興味はないが、話題作らしいので読んでみよう、という程度の
 モチベーションで読み始めたら、スゲー面白くてビックリした。
・しかもその面白さが、ベース設定から想像できる種類より遥かに多層的・多角的。
 予想もしない方向から殴られる感があった。
 「面白いにしても、俺向けの作品じゃないんだろうな」という予想は外れていて、
 中年オタクの俺にもちゃんとぶっ刺さる懐の広さがあった。
・セガネタも浅さ・薄さを感じさせないが、濃過ぎて置いていくほどでもない絶妙の塩梅。
 この「鼻につかない」感じは実は凄まじいバランス感覚なのではないか。
・この手のコメディ、正直ギャグが寒くなりがちな印象があったけど、そこも
 ちゃんとしてて全くスキが無い。そのうえでヒロイン勢がちゃんとチョロ可愛い。
 エンターテイメントとして尖りつつも完成度が高い。
・単なる「メタなワンアイデアを膨らませました」に堕していない。凄い。
 そう、ワンアイデアを思いつくまでは誰でも出来るんだけど、それをエンタメに
 落とし込むのは並大抵のことではない。脱帽である。

鬼ゴロシ 1
河部真道「鬼ゴロシ」1巻

・主人公のヤクザは罠にハメられ、家族を殺され銃弾を頭に食らって植物人間化。
 家族殺しの罪を擦りつけられ刑務所に15年入りっぱなしで、意識曖昧なまま出所。
 ……というところから報復の戦いが始まる。
・といってもリアル路線のヤクザものではなく、むしろ超現実的というか
 ファンタジックな雰囲気すらある不思議な読み味。
 無敵の主人公が大暴れ……と思ったら、結構ダメージもちゃんと受けていて、
 でも人間味を感じるには余りにも強すぎる。ホント不思議。
・冒頭のツカミがバッチリ。ツカミが大事なのは誰でも分かるが、このいきなり
 話の中に吸い込まれる感じはなかなか凄い。
・復讐譚として考えるとシンプルな話のような気がするが、どう物語が転ぶのか
 一巻段階ではまだ明確には見えてこないイメージ。
・「鬼憑リベンジミステリー」って銘打たれてるんだけど、ミステリ要素が
 ここから出てくるんだろうか、というか「鬼憑」もまだ良くわからないが。
・掲載誌は漫画ゴラクか……。ゴラクは地味にハードコアで面白いこの手の作品が
 ちょいちょい出てきて素敵だな。ガンニバルやゴールデン・ガイもゴラクだもんな。