ハンターハンターの感想、どっかに書いてたっけ? と思って
ブログの過去ログを調べたけど、単独記事にしてるのは34巻だけでした。
王位継承編は細々感想書いてられなかったらしい。
この37巻も、理解が曖昧になりつつある感じなので、感想もフワフワしています。
なので、この37巻単体の感想というより「王位継承編」全体について思うことを
書いてみようと思います。
宜しくお願い致します。
■継承編からのキャラクターと設定の大量投入について
インタビューで冨樫先生御自身が語ってたような気がするんだけど、
王位継承編は意図的にキャラと設定を爆盛りしていっているそうだ。
まあ、そりゃそうだわなというか、明らかに作風がこれまでと違う。
登場人物の増殖具合はワンピース並みだし、勢力の相互関係の複雑化も強烈。
そして念能力バトルも読み合いが異常なほど先鋭化・繊細化しており、
テキストの多さから一層「初見お断り」度が増した感じはある。
正直、素人目線でも「この構成で面白くなるワケがない」という感じの構成で
メチャクチャ面白くしているので常軌を逸していると思う。意味が分からん!
だって「突然出てきた13人の王位継承者候補のサバイバルゲーム」だよ?
しかもメイン主人公たちの物語とも、人気キャラである旅団とも直接関連してないんだよ。
読者からしたら全員何の思い入れもないんよ。
こんなん普通に考えたら面白くなるワケがねえじゃんか。なんなんだよ一体。
■継承編のすごいとこ
メインの視点人物をクラピカにしたことで、話が暗く湿った雰囲気になると同時に、
目的意識が超明確で話の筋を見失いにくくなっている。
これはもう、クラピカ主役だからこそ出来たストーリーテリングだよなー。
ゴン・キルアメインでこの話はちょっと回せないと思う。
あと、やはり継承編の一番スゲーところはキャラクターの立て方。
「ポッと出のキャラクターをどうやって魅力的に見せるか」の見本市と言っていい。
外見を含めた造形、立ち回りや表情、印象的なセリフ。
短いコマ数でいかに読者に強い印象を与えるかが練り上げられまくっている。
テータちゃんはこの鼻なのになんか可愛い。
どいつもこいつも出てきた瞬間から、昔っから居たかのように世界観に馴染んでる。
印象的なキャラクターを一人生み出すのに、どれほどのパワーが必要か想像すると
これはもう安っぽく「才能」という表現をするしかない領域である。異常だよ。
正直、ナックルやシュート初登場の頃より、キャラ立てが明らかに
高速かつ巧妙になってるという印象すらある。恐ろしい話やで。
あとはやはり、冨樫先生の「絵」の力によらしむ部分が大きいと思う。
パッと見のキュートさやソリッドな魅力が溢れているからこそだ。
あと……初歩的なことなんで忘れられがちだけど、これだけモブ含めて
人数を出してるのに全然見た目かぶったり描き分け怪しいキャラが居ないし。
よくネット上で「冨樫先生は原作になって作画は別の誰かに」ってコメント見かけるけど、
俺はまったく賛同できない。絵も含めて天才なんや。
というかネームに時間がかかってるんだから分業にしたって変わらねえよな。
■王位継承編の立ち位置
全体のストーリーラインの中において「王位継承編」がどういう位置づけなのか、
読んでてわかんなくなってきてるところはある。
(これはもう正直、選挙編あたりから理解が怪しいが)
前提として、ゴンを軸にした「物語」はジンとの再会である程度落着していると。
キルアもそれに伴い一旦役割を終えている。
レオリオは明らかに話の主軸に居ない(多分完結するまでメインにはならない気がする)。
王位継承編は「クラピカの緋の眼奪還と旅団への復讐に同時にケリをつけるために
設定された舞台」という位置づけでいいのかしら。まあ分からんけど。
ちょっと現状の再把握のために整理してみよう。
■現状の再把握
①ビヨンド=ネテロの暗黒大陸挑戦
ビヨンドは暗黒大陸挑戦の段取りとして十二支んに出頭。
カキンの王位継承戦とは関係あるようで実はほとんどないので実質的に休眠状態。
コイツらまで話に絡むと読者としてもパニックなのでちょうどいい。
パリストンやジンはビヨンド一派に参加中だが、船に乗ってるかどうか不明(だよね?)。
②十二支んの立ち位置
十二支んはネテロ会長の遺言(息子より先に暗黒大陸行け)と、
V5からの指令(ビヨンド=ネテロをハントせよ)に従って行動している。
でもV5も暗黒大陸の旨味成分は欲しいためビヨンドにそう強くも出られてない。
現状はビヨンドを監視・監禁しているが、最終的にはビヨンドと共に
暗黒大陸探索するパーティに加わる立ち位置なのかな?
船の中ではそれぞれの立ち位置で参加しているが、よく考えると
ハンター協会と各国との関係は良くわからない。
ハンゾーとかビスケもそうだけど、ハンター協会員として参加してるんだっけ?
③カキンの王位継承関連
今のメイン話ではあるんだけど、よく考えたら「誰が王になるか」は、
ほとんどメインキャラクターの物語と関連が無い。
つまり独立した外伝に近い構成なんだな。
王子達の中で、唯一ツェリードニヒだけが「緋の眼所持」というかたちで関連する。
クラピカと相容れられるような存在じゃないだろうし、ツェリがラスボス化するのが
一番分かりやすい収まり方だよなあと思う。
④クラピカの緋の眼奪還及び復讐
クラピカはもう王位継承戦でイッパイイッパイなので、ここでVS旅団に
尺使ってる場合じゃないよなー。
ただ、かといってクラピカの知らない場所で旅団が壊滅しててもアレだし、
団長にトドメだけ刺せたりしたらバランスいいのかな。
前述の通り、旅団のクルタ族襲撃にツェリが関与しててラスボス化してくれたら
話に筋が通ってスッキリしそうだなと。
というかクラピカと関与しないで死んだらお前なんだったんだよって話だ。
⑤旅団VSヒソカ
ヒソカは旅団の数減らしのほうを頑張っていただいて……。
そろそろボノレノフとシズクあたり死んでもいいかなーと思っている。
あと個人的に、フェイタンが能力的にも性格的にも厄介なので、
ヒソカの奇襲とかでヌルっと退場してほしい気持ちがある。
あ、そういやゾルディック家の狙いもなんだか良く分からないな……。
⑥二線者がどうこう
マフィアが出てきて話が更に混乱しそうになるが、実際のところ
王位継承戦の下請けVerみたいなものなので、あんまり気にしてもしょうがない。
この辺の固有名詞に混乱させられないようにしないといかん。
正直、モレナさんが出てきたときに「まだマフィアキャラ増えるのか」って
ちょっと愕然とした部分がある。キャラクターとしては好きなんだけど。
船の上層階と下層階で分断されてるのがまた話を分かりやすくも複雑にもしている。
■37巻単巻で思うこと
ナスビ=ホイコーロさんがすっごい良い「タヌキ」で興奮するよね。
語尾が「ホイ」でこんなにカッコいいキャラそうそう居ないぜ。
まあ語尾がホイのキャラ他に知らないけど。
俗物っぽい雰囲気で出てきただけに、達観した性格のギャップが凄い。
子らに対して愛情がまったくないのかと思いきや、意外と情愛じみたものも
持っているようなところもあって底が見えない。
あと、クラピカとビルの「卑怯者は腹をくくらないよ」のくだり、やっぱいいなあ。
あのピリピリした極限の駆け引きの中だけに、物凄い心温まる。
ビルには孤立無援・孤軍奮闘の中にあるクラピカを支えてほしいぜ。
こんなポッと出のキャラなのに「死なないで欲しい」って感じるからすげえよな。
今のジャンプにも続きが載ってるらしくて嬉しくなる反面、それを単行本で読めるのは
いつになるんだろうという不安も大きいが、それでも楽しみだ。
冨樫先生、元気で長く漫画描き続けて欲しいな。
インタビューで冨樫先生御自身が語ってたような気がするんだけど、
王位継承編は意図的にキャラと設定を爆盛りしていっているそうだ。
まあ、そりゃそうだわなというか、明らかに作風がこれまでと違う。
登場人物の増殖具合はワンピース並みだし、勢力の相互関係の複雑化も強烈。
そして念能力バトルも読み合いが異常なほど先鋭化・繊細化しており、
テキストの多さから一層「初見お断り」度が増した感じはある。
正直、素人目線でも「この構成で面白くなるワケがない」という感じの構成で
メチャクチャ面白くしているので常軌を逸していると思う。意味が分からん!
だって「突然出てきた13人の王位継承者候補のサバイバルゲーム」だよ?
しかもメイン主人公たちの物語とも、人気キャラである旅団とも直接関連してないんだよ。
読者からしたら全員何の思い入れもないんよ。
こんなん普通に考えたら面白くなるワケがねえじゃんか。なんなんだよ一体。
■継承編のすごいとこ
メインの視点人物をクラピカにしたことで、話が暗く湿った雰囲気になると同時に、
目的意識が超明確で話の筋を見失いにくくなっている。
これはもう、クラピカ主役だからこそ出来たストーリーテリングだよなー。
ゴン・キルアメインでこの話はちょっと回せないと思う。
あと、やはり継承編の一番スゲーところはキャラクターの立て方。
「ポッと出のキャラクターをどうやって魅力的に見せるか」の見本市と言っていい。
外見を含めた造形、立ち回りや表情、印象的なセリフ。
短いコマ数でいかに読者に強い印象を与えるかが練り上げられまくっている。
テータちゃんはこの鼻なのになんか可愛い。
どいつもこいつも出てきた瞬間から、昔っから居たかのように世界観に馴染んでる。
印象的なキャラクターを一人生み出すのに、どれほどのパワーが必要か想像すると
これはもう安っぽく「才能」という表現をするしかない領域である。異常だよ。
正直、ナックルやシュート初登場の頃より、キャラ立てが明らかに
高速かつ巧妙になってるという印象すらある。恐ろしい話やで。
あとはやはり、冨樫先生の「絵」の力によらしむ部分が大きいと思う。
パッと見のキュートさやソリッドな魅力が溢れているからこそだ。
あと……初歩的なことなんで忘れられがちだけど、これだけモブ含めて
人数を出してるのに全然見た目かぶったり描き分け怪しいキャラが居ないし。
よくネット上で「冨樫先生は原作になって作画は別の誰かに」ってコメント見かけるけど、
俺はまったく賛同できない。絵も含めて天才なんや。
というかネームに時間がかかってるんだから分業にしたって変わらねえよな。
■王位継承編の立ち位置
全体のストーリーラインの中において「王位継承編」がどういう位置づけなのか、
読んでてわかんなくなってきてるところはある。
(これはもう正直、選挙編あたりから理解が怪しいが)
前提として、ゴンを軸にした「物語」はジンとの再会である程度落着していると。
キルアもそれに伴い一旦役割を終えている。
レオリオは明らかに話の主軸に居ない(多分完結するまでメインにはならない気がする)。
王位継承編は「クラピカの緋の眼奪還と旅団への復讐に同時にケリをつけるために
設定された舞台」という位置づけでいいのかしら。まあ分からんけど。
ちょっと現状の再把握のために整理してみよう。
■現状の再把握
①ビヨンド=ネテロの暗黒大陸挑戦
ビヨンドは暗黒大陸挑戦の段取りとして十二支んに出頭。
カキンの王位継承戦とは関係あるようで実はほとんどないので実質的に休眠状態。
コイツらまで話に絡むと読者としてもパニックなのでちょうどいい。
パリストンやジンはビヨンド一派に参加中だが、船に乗ってるかどうか不明(だよね?)。
②十二支んの立ち位置
十二支んはネテロ会長の遺言(息子より先に暗黒大陸行け)と、
V5からの指令(ビヨンド=ネテロをハントせよ)に従って行動している。
でもV5も暗黒大陸の旨味成分は欲しいためビヨンドにそう強くも出られてない。
現状はビヨンドを監視・監禁しているが、最終的にはビヨンドと共に
暗黒大陸探索するパーティに加わる立ち位置なのかな?
船の中ではそれぞれの立ち位置で参加しているが、よく考えると
ハンター協会と各国との関係は良くわからない。
ハンゾーとかビスケもそうだけど、ハンター協会員として参加してるんだっけ?
③カキンの王位継承関連
今のメイン話ではあるんだけど、よく考えたら「誰が王になるか」は、
ほとんどメインキャラクターの物語と関連が無い。
つまり独立した外伝に近い構成なんだな。
王子達の中で、唯一ツェリードニヒだけが「緋の眼所持」というかたちで関連する。
クラピカと相容れられるような存在じゃないだろうし、ツェリがラスボス化するのが
一番分かりやすい収まり方だよなあと思う。
④クラピカの緋の眼奪還及び復讐
クラピカはもう王位継承戦でイッパイイッパイなので、ここでVS旅団に
尺使ってる場合じゃないよなー。
ただ、かといってクラピカの知らない場所で旅団が壊滅しててもアレだし、
団長にトドメだけ刺せたりしたらバランスいいのかな。
前述の通り、旅団のクルタ族襲撃にツェリが関与しててラスボス化してくれたら
話に筋が通ってスッキリしそうだなと。
というかクラピカと関与しないで死んだらお前なんだったんだよって話だ。
⑤旅団VSヒソカ
ヒソカは旅団の数減らしのほうを頑張っていただいて……。
そろそろボノレノフとシズクあたり死んでもいいかなーと思っている。
あと個人的に、フェイタンが能力的にも性格的にも厄介なので、
ヒソカの奇襲とかでヌルっと退場してほしい気持ちがある。
あ、そういやゾルディック家の狙いもなんだか良く分からないな……。
⑥二線者がどうこう
マフィアが出てきて話が更に混乱しそうになるが、実際のところ
王位継承戦の下請けVerみたいなものなので、あんまり気にしてもしょうがない。
この辺の固有名詞に混乱させられないようにしないといかん。
正直、モレナさんが出てきたときに「まだマフィアキャラ増えるのか」って
ちょっと愕然とした部分がある。キャラクターとしては好きなんだけど。
船の上層階と下層階で分断されてるのがまた話を分かりやすくも複雑にもしている。
■37巻単巻で思うこと
ナスビ=ホイコーロさんがすっごい良い「タヌキ」で興奮するよね。
語尾が「ホイ」でこんなにカッコいいキャラそうそう居ないぜ。
まあ語尾がホイのキャラ他に知らないけど。
俗物っぽい雰囲気で出てきただけに、達観した性格のギャップが凄い。
子らに対して愛情がまったくないのかと思いきや、意外と情愛じみたものも
持っているようなところもあって底が見えない。
あと、クラピカとビルの「卑怯者は腹をくくらないよ」のくだり、やっぱいいなあ。
あのピリピリした極限の駆け引きの中だけに、物凄い心温まる。
ビルには孤立無援・孤軍奮闘の中にあるクラピカを支えてほしいぜ。
こんなポッと出のキャラなのに「死なないで欲しい」って感じるからすげえよな。
今のジャンプにも続きが載ってるらしくて嬉しくなる反面、それを単行本で読めるのは
いつになるんだろうという不安も大きいが、それでも楽しみだ。
冨樫先生、元気で長く漫画描き続けて欲しいな。