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上の写真は、3月19日(日)に蒲田近辺を散歩したときのものです。
単独記事にするほどでもない散歩はちょくちょくしています。

えー、そんなこんなで2023年3月後半の、ここのところの近況をまとめます。

日々の出来事はツイートもしてるんだけど、記事としてまとめないと
色んなこと忘れそうなので、備忘録がてら書きます。
よろしくどうぞ。よろしくロビンソン。

■映画

アマプラで「ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密」を見ました。
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特に興味があったジャンル、ってワケじゃないんだけど、その……
「スターウォーズのせいでライアン・ジョンソンあまりにも叩かれ過ぎじゃね?」
という同情心みたいなものがあり、近作も見ておかないとなと思いまして。

作風としてはコメディ混じりのミステリみたいな感じではあるんだけど、
キャストやら美術やら、安っぽさの全く無い豪華な作り。

ミステリとしてのメイントリックについては「多分こうだろうな」という範囲を出ないけど、
繰り返されるツイストがちゃんと効果的になってて良いなーと思いました。
伏線がスルスル回収される気持ちよさもしっかりある。良い。
脚本誰書いたんだろと思って調べたら、脚本もちゃんとライアン・ジョンソンで
「やるじゃん!」って思いました。最後のジェダイは本当になんだったんだ。

ウキウキで名探偵を演じるダニエル・クレイグにほっこりしてしまった。
「変人ではあるがキメるところはキメる」という王道をしっかり踏襲していて良い。

視点人物であるアナ・デ・アルマスも可愛くて良かった。
ゲロ吐きシーンが多いため嘔吐恐怖の人は注意だが、ゲロの設定がちゃんと
ツイストに活かされてて素晴らしいと思いました。

■マンガ

「はじめの一歩」137巻を読了した。
読み終えた直後「小学校低学年の頃から読み続けているマンガが、不惑を過ぎた今もなお
超面白いことに震えるような感動と感慨がある」とツイートした。それがすべてではある。

本当に、今もずっと面白い。凄いよな……。
「かつて大好きだったけど面白くなくなった作品」も、正直山ほどあるだけに嬉しいものがある。

ちなみにこないだ、マガポケで無料公開されてる42話までまとめて読み返したんだけど、
久しぶりに「漫画を夢中で読む」感覚を思い出した。メッチャクチャ面白い。

もう俺はすっかり、漫画から受ける刺激や娯楽性に慣れてしまったのかなと思っていたが
好きな作品読めばやはり今も変わらずぶっ刺さる。それが嬉しかった。
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えー、137巻の感想も書きます。
ほぼ丸々ウォーリーVSリカルド・マルチネス戦。

かなり最近まで全く謎めいたキャラクターだったリカルドが少しずつ
掘り下げられ始めてグッと来るものがある。

ただ、キャラクターとしての底はもちろん、ボクサーとしては
全く底が見えない存在のまま維持している。ここから衰えを描いたりされるのだろうか。
個人的には「最強ボクサーの加齢による衰え」ってリアリティはあっても
面白くは感じないので、ずっと最強で居て欲しいなーと思う。

しかし、このマンガは最終的に「一歩とリカルドが戦う」という展開になるんだろうか?
一歩側には「世界チャンピオンを目指す」モチベーションが全然無いよな。
いやまあ、そもそもボクサーとして復帰すらしてないんだけど。

この「一歩復帰の道筋が全く見えない」という状態でハナシがどんどん転がっていくの、
凄く複雑な読み味になってるんだよな。一歩引退後ずっと面白いだけに尚更。
どうやって復帰に持っていくつもりなんだろうか。

いずれにせよ、森川先生も御年57なワケで、ここから十年後も元気に週刊連載というのは
なかなか厳しいのではないかと想像する。
最近の展開が遅いとは全く思ってない(むしろテンポ自体はいい)のだが、
それでも勝手に焦燥感を抱きながら読んでしまう昨今である。
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それと、無料期間だったのでコミカライズ「化物語」を175話まで一気読みした。
 
原作小説もアニメも見たことが無いので、このコミカライズがどのくらい
大暮節で「盛られ」ているのかは良くわからない。
2005年から今もなお続いているシリーズを、単純に発行順に並べているわけではなく
後の要素を先に持ってきたり色々組み替えているのだと想像する。

だから、初見読者としては要素がちょっとゴチャついてる印象は正直あるが、
それでも一本筋が通ったストーリーとして描かれてるので混乱したりはしない。
このへん大暮先生の漫画力なんだろう。

作画の凄さばかり語られるが、大暮先生は「漫画力」もすげえんだよな。
ネットで良く「画集」呼ばわりされてるのを見ると「どこ見てんだよ」と思う。

それと、kindleで売ってるの見かけたので、長谷川哲也先生の「1812-崩壊-」を読んだ。
ナポレオン漫画のプロトタイプ的な短編だ。
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視点人物はビクトルで、もう既にキャラクター原型は出来上がっている感じだが、
ナポレオン本編のマヌケな狂言回しとしての姿より、「歴戦の兵士」の凄みを見せる。

「行軍において靴がやたら大事」、「女から逃げるために兵士になる若者」、
「馬を食べることへの忌避感」、「行軍中に自殺する兵士」、「補給の重要性と困難さ」
本編でも描かれるテーマがこちらでもしっかり触れられている。
この地味で地道な「兵士目線の戦争描写」こそが持ち味で、魅力だよなあ。

ルスタム・レザにフォーカスされていたのは、ちょっと新鮮に感じた。
本編だと結構存在感ないからなあ。

しかし長谷川先生は一貫してナポレオンを、英雄で戦争の天才であると同時に、
「人間の命をなんとも思わないクソ野郎」として描いてるよな。そこを全然美化しない。
ナポレオンに殺されたり苦しめられた人の悲痛もちゃんと描く。素敵だ。
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あと、「ハイパーインフレーション」も最終話まで読んだ。
結局、無料で全部読んでしまったな……。スゲー面白かった。

「テンポが良くて、キャラが立ってて、展開が凝られてて、先が予想できなくて
 非常に面白いんだけど、作中の駆け引きはイマイチ理解出来てないぜ!」
……という意味で、ゴールデンカムイ読んでるときに近い読み味があった。

まあゴールデンカムイは、勢力・人物の相関関係すら把握が怪しかったから
それに比べるとまだハイパーインフレーションは理解しながら読めた気がする。

俺はシンプルに頭が悪いうえにせっかちでナナメ読みしてしまうので、
読解力が本当に低いんだよな。

■小説・エッセイ

二月に読み始めた米澤穂信「黒牢城」読了。
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歴史ミステリ短編集……っぽく展開しつつ、最後は一本筋の通った伏線回収して
静かに幕を閉じる丁寧な構成の作品だった。
時代考証、歴史うんちくもしっかりしているが、それがうるさくならないバランス。

ツイストというか「どんでん返し」的な驚きもちゃんとあるけど、
ミステリというより歴史小説として楽しんだ面が大きい。
つまりちゃんと「キャラクター」が描かれている。米澤先生はそこを忽せにしない。
真綿で首を締めるように追い込まれていく荒木村重にグッときてしまった。

官兵衛と村重は、その後の秀吉の治世で交わした書状が残ってるんだよな。
それだけで「怨恨が無い」と考えるのも安易ではあるが、どういう関係性になってたんだろう。
乱世の習いだから水に流したのか、内心深い恨みが残ったりしていたのだろうか。

それから、オードリー若林さんの「ナナメの夕暮れ」を今更読んだ。
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最近、オードリーの番組やラジオを過去のも遡ってガンガン見ており、
すっかりファンになっていて、その流れで本書も手に取った。Kindleだけど。

そしたら、我ながらビックリするくらい心に「刺さって」しまい
電車の座席で体が固まってしまった。

特に「親父が死んでからは本格的に冷笑・揶揄は卒業しなければならないと思い始めた」
というくだり、何回も読み返してしまった。

自意識を守るために内にこもり、自分の内側だけを見て生きてきた俺に染みる。
俺も三十代後半でそういう考えを少し持って、普段ならしないようなことをしてみたり
これまで誘わなかった相手を誘ってみたりして、結果イヤになったんだった。

結局俺は、他人との接点に喜びや価値を感じられず、自分の内面を掘り下げることに
注力しよう……となって四十歳を迎えた。それは果たして正しかったのか。

俺はもう、今まさにミッドライフ・クライシスまっさかりなので、
正直どうしていいか分からなくなってる部分があって、
なんでもいいから道を照らして欲しいという欲求が正直なところあるんだよな。

今更自分を変えられるとは思わないが、変えようと思わない限り
このまま腐っていくのは間違いない。走ってないと現状維持すら覚束ないものだ。

■まとめ

近況なんてそうそう書くことねえかなーと思ってたんだけど、
意外と書くこといっぱいあって笑った。