
るろ剣北海道編、新刊で御座います。
前巻の感想はこちらです。
やや箇条書き気味ですが、感想を書いていきます。
よろしくどうぞ。
「剣客兵器部隊将らVS十本刀含む剣心一派のガチバトル」という
まさに「これが見たかったんだよ!」的な見せ場が盛り沢山の9巻。
山縣さんの「一騎当千なら二千で囲めば良い」ロジックは割とあっさり踏みにじられる。
幕末の修羅共を知っているならそんな簡単な話じゃないのは分かるだろ、という感覚もあるが、
ただ数の暴力を軽視し過ぎるのも立場としてアレだし難しいね。
まず、地號の土居潜具羅VS安慈・左之助のバトル。

「安慈と左之が並んで共闘」というだけで嬉しすぎる部分はある。
旧作読んでたときにしていた脳内妄想そのものだ。
あの安慈が「我が仲間達」と言うのも暖かい気持ちになる。
クソカッコいい剣を使った「遠当て」もガンガン使ってくれて嬉しい。
地號対策としてメタになってるのも気持ちがいいぜ。
そして「二重の極み 総身」は超アツかったな……!
旧作で「その気になれば頭突きでも出せる」と評されていたから違和感はない。
土居さんから化物呼ばわりされてるの笑ってしまった。
「左之助は右手一本でしか出せないが威力は変わらない」という
左之助と安慈の戦力比較もされていて興味深かった。
左之がカマセにならず異常な打たれ強さと馬鹿力をちゃんと発揮してくれて嬉しいところ。
潜具羅の容姿が具足というのは、そうでなかったらちょっとどうなんだと思っていたから
納得とともにむしろホッとした。
個人的に、北海道編全体を通してある「旧作からリアリティラインが変わった?」という
違和感を一番最初に抱かせてきたのが潜具羅さんだったので……。
まあ「るろ剣のリアリティライン」って繊細というか非常に難しい部分があって、
人によってかなりブレがあるんじゃないかなとも思う。
「剣で真空刃飛ばしてきたり空中二段ジャンプしたりすることはあっても、
一応は物理的な理屈がつけられる」というのが必須要件かなと個人的には思っています。
どんな強引であってもロジックがついていればOKとも云える。
まあアルミニウム手裏剣でガトリングと撃ち合いだした時は「えぇ……」ってなったけども!

安慈さんが「速度に弱い」というのはちょっと意外に思った。
宇水さんの攻撃止めたりしてたせいか素早い印象があったので。
「土居潜具羅が実は女性」というのは、ネット上でネタバレを食らっていたので
驚けなかったな―! まっさらで読めたら結構ビックリしてたと思う。
るろ剣で「女性の強キャラ」は非常に珍しいので、そういう意味でも新鮮だった。
和月先生が旧作では描けなかったものなんじゃなかろうか。勝手な想像だけども。
全然関係ないけど、蝙也さんの「飛空発破」が一応名を知られているのグッと来てしまった。
蝙也さんが敵から評価されてるだけで嬉しくなってしまう部分が俺にはある。

続いて、偽號の権宮剛豪&恵號の天智実命VS刀狩の張&大鎌の鎌足。
「ゴングウゴウゴウ」ってすげえ響きだな……。
押し並べて剣客兵器の人たち、名前が覚えられない。
味方サイドの十本刀の二人、特に鎌足は旧作で結構いいとこなしというか
大鎌振り回しながら女二人にボコられる役どころで、蝙也に並ぶ
「なんだったんだアイツ」枠だったんだけど、今回はちゃんと戦闘員としても
見せ場を作っていてよかった。
張は旧作で言うほど「刀いっぱい持ってる」という特製を活かせてなかったので、
今回、オモシロ殺人奇剣がガンガン出てくるのは本当に楽しいものがある。
というかやっぱ「殺人奇剣」って設定自体が面白いというか、新作が出れば出るほど
新井赤空さんヤベー奴だった感が増していく。

あくまでも「志々雄の部下」としての矜持で闘うのはグッと来たなー!
一番、闘う理由が明瞭でなかったこの二人のモチベーションが整理されていて、
和月先生、こういうところを忽せにしないよなーと感心してしまう。
また、戦闘と並行して権宮さんのキャラクター性が描かれ始める。
こういうヤツが一人居たほうがいいなあ、という気持ちもありつつ、
まあでも「魅力的な敵キャラ」かと言われると微妙なライン。
戦闘後にフォローが入ったりするんだろうか。
剣客兵器は、人誅編の「六人の同士」と違って、意図的に魅力薄に描く理由はないと思うが、
なんかこの後にむしろ剣客兵器は本丸メンバーが待ってたりするんだろうか。
というか、そもそもこの九巻時点で、全体のどのくらいの進捗状況なんだろうな。
北海道編は最初からそうなんだけど、テンポが悪いわけでもないのに
一貫してなんか「話が進んでる」感が薄い気がするんだよな……。

そしてラストは異號の凍座白也VS天剣の宗次郎と剣心コンビ。
これまで宗次郎のバトルって、VS剣心以外なかったわけで
その御無体なパワーが発揮されそうで興味深い。
凍座さんは人格にせよ戦闘力にせよ「底知れない」というより
「なんか良く分からねえ」という印象が強い。
闘姿とかも含めて、味方キャラの力試し役といった感じだ。
このひとのバックボーンも掘り下げられるんだろうか。
ちなみに、明日郎は今巻では登場2コマ。
この戦力状況で明日郎がガンガンバトルに参加するのも不自然だし、
彼の見せ場はまずバトルより先に「剣心達との絆作り」ではないかと個人的には思う。
反発や和解も含め、剣心達と絆や継承が無いとどんどん存在意義が薄れてしまう。
いや、もしかしたら阿爛が観柳から継承したように、まったく別のキャラから
何かを受け継ぐような展開になったりするんだろうか。
剣心も斎藤も、悪く言えば旧世代の亡霊みたいな存在であるわけだし。
ともあれ「明日郎がキーになるのでは」と思ってから数年経っているが、
まったく掘り下げられる気配がなくてちょっと不安を感じる昨今である。
どうあれ、話やバトルの面白さは全く衰えるところがなく素晴らしい完成度。
続きが楽しみでございます。
まさに「これが見たかったんだよ!」的な見せ場が盛り沢山の9巻。
山縣さんの「一騎当千なら二千で囲めば良い」ロジックは割とあっさり踏みにじられる。
幕末の修羅共を知っているならそんな簡単な話じゃないのは分かるだろ、という感覚もあるが、
ただ数の暴力を軽視し過ぎるのも立場としてアレだし難しいね。
まず、地號の土居潜具羅VS安慈・左之助のバトル。

「安慈と左之が並んで共闘」というだけで嬉しすぎる部分はある。
旧作読んでたときにしていた脳内妄想そのものだ。
あの安慈が「我が仲間達」と言うのも暖かい気持ちになる。
クソカッコいい剣を使った「遠当て」もガンガン使ってくれて嬉しい。
地號対策としてメタになってるのも気持ちがいいぜ。
そして「二重の極み 総身」は超アツかったな……!
旧作で「その気になれば頭突きでも出せる」と評されていたから違和感はない。
土居さんから化物呼ばわりされてるの笑ってしまった。
「左之助は右手一本でしか出せないが威力は変わらない」という
左之助と安慈の戦力比較もされていて興味深かった。
左之がカマセにならず異常な打たれ強さと馬鹿力をちゃんと発揮してくれて嬉しいところ。
潜具羅の容姿が具足というのは、そうでなかったらちょっとどうなんだと思っていたから
納得とともにむしろホッとした。
個人的に、北海道編全体を通してある「旧作からリアリティラインが変わった?」という
違和感を一番最初に抱かせてきたのが潜具羅さんだったので……。
まあ「るろ剣のリアリティライン」って繊細というか非常に難しい部分があって、
人によってかなりブレがあるんじゃないかなとも思う。
「剣で真空刃飛ばしてきたり空中二段ジャンプしたりすることはあっても、
一応は物理的な理屈がつけられる」というのが必須要件かなと個人的には思っています。
どんな強引であってもロジックがついていればOKとも云える。
まあアルミニウム手裏剣でガトリングと撃ち合いだした時は「えぇ……」ってなったけども!

安慈さんが「速度に弱い」というのはちょっと意外に思った。
宇水さんの攻撃止めたりしてたせいか素早い印象があったので。
「土居潜具羅が実は女性」というのは、ネット上でネタバレを食らっていたので
驚けなかったな―! まっさらで読めたら結構ビックリしてたと思う。
るろ剣で「女性の強キャラ」は非常に珍しいので、そういう意味でも新鮮だった。
和月先生が旧作では描けなかったものなんじゃなかろうか。勝手な想像だけども。
全然関係ないけど、蝙也さんの「飛空発破」が一応名を知られているのグッと来てしまった。
蝙也さんが敵から評価されてるだけで嬉しくなってしまう部分が俺にはある。

続いて、偽號の権宮剛豪&恵號の天智実命VS刀狩の張&大鎌の鎌足。
「ゴングウゴウゴウ」ってすげえ響きだな……。
押し並べて剣客兵器の人たち、名前が覚えられない。
味方サイドの十本刀の二人、特に鎌足は旧作で結構いいとこなしというか
大鎌振り回しながら女二人にボコられる役どころで、蝙也に並ぶ
「なんだったんだアイツ」枠だったんだけど、今回はちゃんと戦闘員としても
見せ場を作っていてよかった。
張は旧作で言うほど「刀いっぱい持ってる」という特製を活かせてなかったので、
今回、オモシロ殺人奇剣がガンガン出てくるのは本当に楽しいものがある。
というかやっぱ「殺人奇剣」って設定自体が面白いというか、新作が出れば出るほど
新井赤空さんヤベー奴だった感が増していく。

あくまでも「志々雄の部下」としての矜持で闘うのはグッと来たなー!
一番、闘う理由が明瞭でなかったこの二人のモチベーションが整理されていて、
和月先生、こういうところを忽せにしないよなーと感心してしまう。
また、戦闘と並行して権宮さんのキャラクター性が描かれ始める。
こういうヤツが一人居たほうがいいなあ、という気持ちもありつつ、
まあでも「魅力的な敵キャラ」かと言われると微妙なライン。
戦闘後にフォローが入ったりするんだろうか。
剣客兵器は、人誅編の「六人の同士」と違って、意図的に魅力薄に描く理由はないと思うが、
なんかこの後にむしろ剣客兵器は本丸メンバーが待ってたりするんだろうか。
というか、そもそもこの九巻時点で、全体のどのくらいの進捗状況なんだろうな。
北海道編は最初からそうなんだけど、テンポが悪いわけでもないのに
一貫してなんか「話が進んでる」感が薄い気がするんだよな……。

そしてラストは異號の凍座白也VS天剣の宗次郎と剣心コンビ。
これまで宗次郎のバトルって、VS剣心以外なかったわけで
その御無体なパワーが発揮されそうで興味深い。
凍座さんは人格にせよ戦闘力にせよ「底知れない」というより
「なんか良く分からねえ」という印象が強い。
闘姿とかも含めて、味方キャラの力試し役といった感じだ。
このひとのバックボーンも掘り下げられるんだろうか。
ちなみに、明日郎は今巻では登場2コマ。
この戦力状況で明日郎がガンガンバトルに参加するのも不自然だし、
彼の見せ場はまずバトルより先に「剣心達との絆作り」ではないかと個人的には思う。
反発や和解も含め、剣心達と絆や継承が無いとどんどん存在意義が薄れてしまう。
いや、もしかしたら阿爛が観柳から継承したように、まったく別のキャラから
何かを受け継ぐような展開になったりするんだろうか。
剣心も斎藤も、悪く言えば旧世代の亡霊みたいな存在であるわけだし。
ともあれ「明日郎がキーになるのでは」と思ってから数年経っているが、
まったく掘り下げられる気配がなくてちょっと不安を感じる昨今である。
どうあれ、話やバトルの面白さは全く衰えるところがなく素晴らしい完成度。
続きが楽しみでございます。