その仕返しとして2月2日にウルトラギガンティック有休を取りました。
で、「どうせ平日休みに家にいてもゲームしてメシ食って酒のんでエロ動画見て
『人生なんてこんなもんだ』とか『誰もが最後は死ぬ、それまでの暇つぶしをしているだけだ』とか
ブツブツ呟きながら寝るだけだろうし、一泊旅行にでも行くか!」ってなりました。
ただ、旅行って「アレ見たいコレ食べたい」的な「明確な目的」を持たずに行っても
なので今回、開き直って「明確な目的ないからホテルで高いメシ食って帰ろう」という
食事主体の旅をすることにしました。
行き先は、前から気になっていた日光。
軽く行く旅行なら日光かな~って気持ちが前々からありまして。片道二時間ちょいだし。
静岡よりちょっと遠いが、金沢とかよりはなんか近いイメージ。
「日光と言えば!」という観光地でいうと鬼怒川温泉とか日光江戸村とかになりそうだが、
温泉観光地はぶっちゃけ萎えるし、山奥で熊に怯えるのも怖い。冬だと寒そうだし。
ということで中禅寺湖を目指すことにしました。
それでは前日夜~当日の動きから書いていきます。
それでは前日夜~当日の動きから書いていきます。
2月1日(木)、残業しながら仕事をバタバタと済ませて帰宅。
ここ最近寝不足が続いており「7時起きちょっとしんどいかもなあ」と思いつつ1時に就寝。
尿意で目がさめ、二度寝しようかと思いながら時計を見たら6時57分で苦笑する。



外がクッソ寒いだけに、新幹線の暖かさが染みる。
かじかんだ指がほどけていく感じ、たまらねえよな。
移動時間は50分ほど。あっというまに着いた。
10時10分ころ、宇都宮到着。天候はどんよりとしていた。
宇都宮は、大昔に友人の結婚式で一回来たくらいで、基本は縁がない土地である。
帰りに余裕あったら降りて餃子でも食べようかしら、と思う。

そういえば栃木でしたね、宇都宮って。
そんなことも分からず来ています。
金沢行ったときも何県か分かってなかったからな。

駅のホームに降りてみると、なんか明治っぽいというか雰囲気あって良い感じだった。


11時15分ころ、日光に到着。
朝イチは「通勤ラッシュ巻き込まれちゃったよ、9時出発で良かった」とウダウダ言ってたが
到着が12時過ぎになってたと思うとこのスケジュールで良かったなと思い直した。
俺の選択・判断間違ってなかったよ。

日光線は電車の中から「サルに注意!」看板が見えたり、例のボタン式ドアだったり
どこか牧歌的な電車で良かったです。混まないのも素敵。
まあ平日昼間ということもあっただろうけども。

終点の日光駅にはそれなりの人数が降りていった。
旅行中らしい大学生グループなどがはしゃいでいる。
駅のトイレで小用を足してから、駅前広場に出た。
相変わらず寒いは寒いが、陽が出てきている。

遠くに山がある景色というのはいいものだ。
雪に覆われた山頂が見えるのも実に趣深い。
しばらくぼんやりと眺めていたい……ところだがなにしろ寒い。

駅を外から撮影してみた。味があるなあ。
帰ってから調べたら大正元年の駅舎なんだとか。100年前かよ。
こういう古い建造物見るたびに「耐震補強とかって大変だろうなあ」などと思う。
昼飯どうしようかなあ、などと考えながら歩き出す。

とりあえず東武日光駅まで来ました。
こっちまで来ると、駅前に飲食店が多少並んでいる。
これからも結構歩くし、あんまり考えずサクッと食べようか。

ということで、すぐ近くにあったファミレス風店舗に飛び込む。
湯葉煮セット1600円。
いわゆる観光地価格ではあるが、固めに炊かれた米が美味かったです。
冷えた体に温かい蕎麦も染みた。

そこから更にまーっすぐ歩いていくと、天海僧正に見下された。
僧というよりは「歴史ものマンガに出てくるクセモノ為政者」みたいなイメージが強い。
山田風太郎作品でもヤベー奴だし。

あの赤いのが神橋。渡らなかったけども。
平日であっても、さすがにそれなりに観光客が居る。
当然というか、外国人の姿が多いのが印象的だった。
土日祝日や行楽シーズンだったらごった返すんだろうな。

そしてこちらが大谷川。中禅寺湖から流れてきているらしいです。
ちなみに俺は今ネットで調べて「だいやがわ」と読むことを知りました。
「おおたにがわ」じゃなかったんだ。
それどころか俺は41歳くらいまで「鬼怒川」を「きどがわ」と読んでいました。
自力で気付いたならともかく、人にやんわり訂正されて知ったのでメチャクチャ恥ずかしかった。

それから、世界遺産「日光の社寺」に入ります。
「どうすんのよ、ベビーカー登れないじゃん」と喧嘩する夫婦を横目に
長い石段をスタスタ登っていきます。

人は割とまばらで心地よい。平日に来た甲斐があるぜ。
とりあえずトイレで尿をします。
いちいち書いてないけど、家を出てから10回くらいトイレ入ってる気がする。
いくらなんでも頻繁すぎない? 寒いとはいえ。

昭和56年生まれは「一白水星」で暗剣殺なんだそうです。
ウソでしょ? これ以上俺の人生が衰退期に入ることあるの?
「暗剣殺となるので特に注意が必要です」って言われてもどうしたらいいんだよ。
「暗剣殺」と聴くと第4次スーパーロボット大戦を思い出すよね。思い出さない?

拝観料払って中に入れるんですが、入りませんでした。暗剣殺なのに!?
や、金が惜しいとかじゃなくて「人多いとこにわざわざ入りたくねえな」って思っちゃって。
ぶっちゃけ、寺院や神社に全然興味がなかったりする。何しに来たんだよ。

でも一応、五重塔は見る。
内部が吹き抜けになってて鎖で吊り下げられた心柱があるとか。
まあ時間的に開いてなかったので見れませんでした。
で。

わざわざここまで来ておいて、日光東照宮に入らない男。
なんでだよ! たぶん家康もビックリして馬上で漏らしてると思う。
いや、なんかわざわざ拝観料払って人の多いトコに入っていくの面倒でね……。
「せっかくここまで来たんだから」という考え方がまったくない。
この自由度が一人旅の醍醐味かも知れない。誰かと来てたらさすがにスルーはしないからね。

フラフラ散歩するように歩いてたら二荒山神社に到着した。
なんて読むのか全くわからんかった。帰ってググったら「ふたらさん」でビックリした。
脳内で「にいあらやま」って読んでたよ。

縁結びにご利益があるとかなんとか。
人との「縁」がどれだけ大事なものかはこの年齢になると身にしみて分かる。
縁が人生を決めると言っていいような気がする。
その縁をないがしろにしたから、42歳で平日一人日光をさまよう人生になった。
その人生が悪いとは思っていないんだけど。

三代将軍家光公の霊廟である! 頭が高い! ひかえおろう!
歴史詳しくない人でも、家光までは大体の人が覚えてるよな。
家綱がキャラ立ってないのが悪い。
まあパッしなくても世を治められる官僚機構やら政治体制やらを整えたことが
江戸幕府のスゲーところなんだろうな。良く知らんけど。

そのままフラフラ歩いてたら、行きたいけど遠いから諦めようと思ってた
白糸の滝に行けるルートが見つかったので登ってみることにした。
体力は余裕があるし、昼飯ガッツリ食べたから割と元気。25分の道のりなぞ余裕であろう。
便意も無いし。

ただ「ヤマビル注意!」の看板でテンションがグッと下がる。
熊やイノシシなどの怪我率高い野生動物もテンション下がるが、虫も相当キツい。
首筋や手の甲にボトッと落ちてきたりしたら絶叫する自信がある。
「体温、呼気、振動、光、においに反応し、衣服の少しの隙間をみつけて
吸血しやすい場所を探して這い上がってきます」という注意書きが恐怖を煽る。
ちょっとしたゾンビやないか。毒はないそうだけど、なんの慰めにもならない。

とりあえずビクビクしながら道を歩いていく。
白糸の滝に行きたいなら車の別ルートがあるし、平日昼間にこんなところをわざわざ
歩く人は居ないようで、ここから30分ほど全く人に出くわさない道のりになった。
寂しいの嫌いじゃない。ないんだが……。
俺一人で助けも呼べないような場所で、野生動物エンカウントとかは勘弁してほしい。
寂しいのはともかく、心細いのはつらい。

漠然とした不安を胸にわだかまらせたままトボトボ歩いていると、突然、
木に張り出された「フランス人女性を探しています」張り紙にドキリとさせられる。
一人でメッチャ心細いところなんだからやめてくれよ。
2018年から行方不明なんだそうだ。6年前か……。

そこまでメチャクチャ急な上りとかではないが、プチ登山の趣が出てきた。
虫も含め、夏場だったらキツかっただろうな……。
あと大きさがまばらの石段は歩きづらく消耗する。

修験者の修行用の小さな小屋についた。
中に入るわけではないが、荒い呼吸を整える。
散歩により体力は少しずつついてきた気がしているが、心肺機能は鍛えられていない。
マラソンが趣味の兄貴から「心肺機能は意識して鍛えないとずっとそのままだし、
鍛えても放っといたら元に戻るよ」と教わって、それならしゃーないかと納得した。

そのあとは長い下りが続いた。
こちらは石段が整っており、歩くのにそんな苦労はしない。
しかしマジで静かだな。俺の足音と荒い呼吸音だけが聞こえる。

「案内を口実に女性の体を触る事案があります」と注意書き。
痴漢や変態とかじゃなくて、案内という「親切」の体裁だから女性も断りづらいという
いろんな意味でクソ極まりない手口。ゲッソリしてしまう。

ゲッソリしてたら白糸の滝に着いた。あっ、思ったより小さい。
でもまあすごく近くまで見にいけるのはいいですね。
しばらく眺めてから、来た道をUターンしました。
なんにせよ、いい運動になったな。このくらいの負荷の軽登山はいいものだ。
家光霊廟まで戻り、そのまま東照宮を後にしました。
日光東照宮まで来て拝観料を1円も払わず拝みもせず帰る男。
写真の枚数が多くなってきたので、一旦ここで区切ります。
ここ最近寝不足が続いており「7時起きちょっとしんどいかもなあ」と思いつつ1時に就寝。
尿意で目がさめ、二度寝しようかと思いながら時計を見たら6時57分で苦笑する。
そのまま起きて買っておいたバナナゼリーとコムタンクッパで朝食。
コーヒー飲みながらマッタリしてたらあっという間に8時。家を出る。
家を出て歩きながら「あれ、これだと通勤ラッシュ直撃じゃない?」と気付いた。
とんでもない寒さに閉口する。駅のホームで待っている間も、指が痛いほどだった。
とんでもない寒さに閉口する。駅のホームで待っている間も、指が痛いほどだった。

「走行中ドアが開いた」とか「乗客体調不良で」とかのトラブルが発生したらしく、
ラッシュ帯の電車遅延にガッツリ巻き込まれて電車が17分遅れ。
人でごった返すホームで、寒さと尿意に苦しみながら、なんでこの時間にしたのか強く後悔した。
ラッシュ帯の電車遅延にガッツリ巻き込まれて電車が17分遅れ。
人でごった返すホームで、寒さと尿意に苦しみながら、なんでこの時間にしたのか強く後悔した。
9時出発にしておけば優雅な電車旅だったろうに。
別に急ぐ理由もない旅なので、この時間にする理由はさほどないのである。

なんとかかんとか東京着いたら今度は便意も込み上げてきて俺は泣いた。
タイムリミットもないのでトイレ行けないこともないが、とりあえず我慢する。
別に急ぐ理由もない旅なので、この時間にする理由はさほどないのである。

なんとかかんとか東京着いたら今度は便意も込み上げてきて俺は泣いた。
タイムリミットもないのでトイレ行けないこともないが、とりあえず我慢する。
さらに、この25年ほど毎年2回は乗っているであろう東北新幹線にも関わらず
当日の切符の買い方が分からず「新幹線 当日」でググるという体たらく。
当日の切符の買い方が分からず「新幹線 当日」でググるという体たらく。
券売機での購入を諦めて、みどりのまどぐち行ったら一分で解決して駅員さんに感謝する。
JRあったけえわ。最初から行けよ。
JRあったけえわ。最初から行けよ。
指定席こみで交通費5680円。
なすの255号郡山行きに乗る。乗り過ごさないようにしないとな。
新幹線のホームは平日だからか穏やかなものだった。
俺が知る東北新幹線はゴールデンウィークか正月なのでだいぶギャップがある。
俺が知る東北新幹線はゴールデンウィークか正月なのでだいぶギャップがある。
一年前に乗った金沢行きのかがやきを眺める。
震災で観光は大ダメージだろうなあ、などと思いを馳せる。
実際、会社の人も「旅行の選択肢として今の時期にわざわざ選ばない」と言っていたな。
震災で観光は大ダメージだろうなあ、などと思いを馳せる。
実際、会社の人も「旅行の選択肢として今の時期にわざわざ選ばない」と言っていたな。

外がクッソ寒いだけに、新幹線の暖かさが染みる。
かじかんだ指がほどけていく感じ、たまらねえよな。
車内はガラガラってほどでもないが窓際が全部埋まってただけで空席が目立つ。
新幹線内は年末や連休と違って、赤子の泣き声などなく異常に静か。
走行音に混じって、虫の羽音くらいの大きさの打鍵音が四方から聞こえる。
それにしてもパソコンカタカタやってる人多いな! と笑ってしまったのだが、
どうも「ワーク&スタディ優先車両」とかいう車両だったらしい。
俺はワークもスタディもせずに、スマホでドラクエ4をプレイし続けた。
それにしてもパソコンカタカタやってる人多いな! と笑ってしまったのだが、
どうも「ワーク&スタディ優先車両」とかいう車両だったらしい。
俺はワークもスタディもせずに、スマホでドラクエ4をプレイし続けた。
帰省だったら仮眠してただろうが、今回は乗り過ごしが怖い。
移動時間は50分ほど。あっというまに着いた。

10時10分ころ、宇都宮到着。天候はどんよりとしていた。
宇都宮は、大昔に友人の結婚式で一回来たくらいで、基本は縁がない土地である。
帰りに余裕あったら降りて餃子でも食べようかしら、と思う。
お腹具合が相変わらず微妙極まりないうえに、とにかく寒い。
「温かい待合室ないかなあ」とか「昼飯どうするかなあ」とか考えながらウロウロする。

そういえば栃木でしたね、宇都宮って。
そんなことも分からず来ています。
金沢行ったときも何県か分かってなかったからな。
栃木はいちご王国なんだそうだ。
ただ俺、「いちご味」は好きなんだけど、いちごそのものはあんまりなんだよな。
メッチャ美味しい! ってなった記憶があんまりない。桃とかもそう。
高いの食べたこと無いだけかも知れない。
メッチャ美味しい! ってなった記憶があんまりない。桃とかもそう。
高いの食べたこと無いだけかも知れない。
あと、宇都宮駅で(人があんまり居なかったので)券売機をじっくりいじって、
さっき東京駅でやってた操作が間違ってたことを理解した。
さっき東京駅でやってた操作が間違ってたことを理解した。
俺がいまだに特急券と乗車券の違いが曖昧なのが悪い。

駅のホームに降りてみると、なんか明治っぽいというか雰囲気あって良い感じだった。
日光線は一時間に1~2本しかない。
事前に調べてたので驚きはないが、観光地なのにそんなもんなのかとは思った。

前述した通り、宇都宮は友人の結婚式以来。
その友人とはもう全く付き合いなくなったなあ。連絡先すら分からない。
思えば自然に付き合いが切れた友人・知人がたくさんいるなあ。
40過ぎて「自分から繋がりを維持しようとしたことが無い」ということをしみじみ思う。
相手から連絡くれるマメな人としか付き合いが続いていない。
思えば自然に付き合いが切れた友人・知人がたくさんいるなあ。
40過ぎて「自分から繋がりを維持しようとしたことが無い」ということをしみじみ思う。
相手から連絡くれるマメな人としか付き合いが続いていない。
日光線に乗ると、向かいの席にカメラ置いて自撮りしてるバカがいて、
座ろうとしてる人にたびたび迷惑かけていた。
座ろうとしてる人にたびたび迷惑かけていた。

11時15分ころ、日光に到着。
朝イチは「通勤ラッシュ巻き込まれちゃったよ、9時出発で良かった」とウダウダ言ってたが
到着が12時過ぎになってたと思うとこのスケジュールで良かったなと思い直した。
俺の選択・判断間違ってなかったよ。

日光線は電車の中から「サルに注意!」看板が見えたり、例のボタン式ドアだったり
どこか牧歌的な電車で良かったです。混まないのも素敵。
まあ平日昼間ということもあっただろうけども。

終点の日光駅にはそれなりの人数が降りていった。
旅行中らしい大学生グループなどがはしゃいでいる。
駅のトイレで小用を足してから、駅前広場に出た。
相変わらず寒いは寒いが、陽が出てきている。

遠くに山がある景色というのはいいものだ。
雪に覆われた山頂が見えるのも実に趣深い。
しばらくぼんやりと眺めていたい……ところだがなにしろ寒い。

駅を外から撮影してみた。味があるなあ。
帰ってから調べたら大正元年の駅舎なんだとか。100年前かよ。
こういう古い建造物見るたびに「耐震補強とかって大変だろうなあ」などと思う。
昼飯どうしようかなあ、などと考えながら歩き出す。

とりあえず東武日光駅まで来ました。
こっちまで来ると、駅前に飲食店が多少並んでいる。
これからも結構歩くし、あんまり考えずサクッと食べようか。

ということで、すぐ近くにあったファミレス風店舗に飛び込む。
湯葉煮セット1600円。
いわゆる観光地価格ではあるが、固めに炊かれた米が美味かったです。
冷えた体に温かい蕎麦も染みた。

そこから更にまーっすぐ歩いていくと、天海僧正に見下された。
僧というよりは「歴史ものマンガに出てくるクセモノ為政者」みたいなイメージが強い。
山田風太郎作品でもヤベー奴だし。

あの赤いのが神橋。渡らなかったけども。
平日であっても、さすがにそれなりに観光客が居る。
当然というか、外国人の姿が多いのが印象的だった。
土日祝日や行楽シーズンだったらごった返すんだろうな。

そしてこちらが大谷川。中禅寺湖から流れてきているらしいです。
ちなみに俺は今ネットで調べて「だいやがわ」と読むことを知りました。
「おおたにがわ」じゃなかったんだ。
それどころか俺は41歳くらいまで「鬼怒川」を「きどがわ」と読んでいました。
自力で気付いたならともかく、人にやんわり訂正されて知ったのでメチャクチャ恥ずかしかった。

それから、世界遺産「日光の社寺」に入ります。
「どうすんのよ、ベビーカー登れないじゃん」と喧嘩する夫婦を横目に
長い石段をスタスタ登っていきます。

人は割とまばらで心地よい。平日に来た甲斐があるぜ。
とりあえずトイレで尿をします。
いちいち書いてないけど、家を出てから10回くらいトイレ入ってる気がする。
いくらなんでも頻繁すぎない? 寒いとはいえ。

昭和56年生まれは「一白水星」で暗剣殺なんだそうです。
ウソでしょ? これ以上俺の人生が衰退期に入ることあるの?
「暗剣殺となるので特に注意が必要です」って言われてもどうしたらいいんだよ。
「暗剣殺」と聴くと第4次スーパーロボット大戦を思い出すよね。思い出さない?

拝観料払って中に入れるんですが、入りませんでした。暗剣殺なのに!?
や、金が惜しいとかじゃなくて「人多いとこにわざわざ入りたくねえな」って思っちゃって。
ぶっちゃけ、寺院や神社に全然興味がなかったりする。何しに来たんだよ。

でも一応、五重塔は見る。
内部が吹き抜けになってて鎖で吊り下げられた心柱があるとか。
まあ時間的に開いてなかったので見れませんでした。
で。

わざわざここまで来ておいて、日光東照宮に入らない男。
なんでだよ! たぶん家康もビックリして馬上で漏らしてると思う。
いや、なんかわざわざ拝観料払って人の多いトコに入っていくの面倒でね……。
「せっかくここまで来たんだから」という考え方がまったくない。
この自由度が一人旅の醍醐味かも知れない。誰かと来てたらさすがにスルーはしないからね。

フラフラ散歩するように歩いてたら二荒山神社に到着した。
なんて読むのか全くわからんかった。帰ってググったら「ふたらさん」でビックリした。
脳内で「にいあらやま」って読んでたよ。

縁結びにご利益があるとかなんとか。
人との「縁」がどれだけ大事なものかはこの年齢になると身にしみて分かる。
縁が人生を決めると言っていいような気がする。
その縁をないがしろにしたから、42歳で平日一人日光をさまよう人生になった。
その人生が悪いとは思っていないんだけど。

三代将軍家光公の霊廟である! 頭が高い! ひかえおろう!
歴史詳しくない人でも、家光までは大体の人が覚えてるよな。
家綱がキャラ立ってないのが悪い。
まあパッしなくても世を治められる官僚機構やら政治体制やらを整えたことが
江戸幕府のスゲーところなんだろうな。良く知らんけど。

そのままフラフラ歩いてたら、行きたいけど遠いから諦めようと思ってた
白糸の滝に行けるルートが見つかったので登ってみることにした。
体力は余裕があるし、昼飯ガッツリ食べたから割と元気。25分の道のりなぞ余裕であろう。
便意も無いし。

ただ「ヤマビル注意!」の看板でテンションがグッと下がる。
熊やイノシシなどの怪我率高い野生動物もテンション下がるが、虫も相当キツい。
首筋や手の甲にボトッと落ちてきたりしたら絶叫する自信がある。
「体温、呼気、振動、光、においに反応し、衣服の少しの隙間をみつけて
吸血しやすい場所を探して這い上がってきます」という注意書きが恐怖を煽る。
ちょっとしたゾンビやないか。毒はないそうだけど、なんの慰めにもならない。

とりあえずビクビクしながら道を歩いていく。
白糸の滝に行きたいなら車の別ルートがあるし、平日昼間にこんなところをわざわざ
歩く人は居ないようで、ここから30分ほど全く人に出くわさない道のりになった。
寂しいの嫌いじゃない。ないんだが……。
俺一人で助けも呼べないような場所で、野生動物エンカウントとかは勘弁してほしい。
寂しいのはともかく、心細いのはつらい。

漠然とした不安を胸にわだかまらせたままトボトボ歩いていると、突然、
木に張り出された「フランス人女性を探しています」張り紙にドキリとさせられる。
一人でメッチャ心細いところなんだからやめてくれよ。
2018年から行方不明なんだそうだ。6年前か……。

そこまでメチャクチャ急な上りとかではないが、プチ登山の趣が出てきた。
虫も含め、夏場だったらキツかっただろうな……。
あと大きさがまばらの石段は歩きづらく消耗する。

修験者の修行用の小さな小屋についた。
中に入るわけではないが、荒い呼吸を整える。
散歩により体力は少しずつついてきた気がしているが、心肺機能は鍛えられていない。
マラソンが趣味の兄貴から「心肺機能は意識して鍛えないとずっとそのままだし、
鍛えても放っといたら元に戻るよ」と教わって、それならしゃーないかと納得した。

そのあとは長い下りが続いた。
こちらは石段が整っており、歩くのにそんな苦労はしない。
しかしマジで静かだな。俺の足音と荒い呼吸音だけが聞こえる。

「案内を口実に女性の体を触る事案があります」と注意書き。
痴漢や変態とかじゃなくて、案内という「親切」の体裁だから女性も断りづらいという
いろんな意味でクソ極まりない手口。ゲッソリしてしまう。

ゲッソリしてたら白糸の滝に着いた。あっ、思ったより小さい。
でもまあすごく近くまで見にいけるのはいいですね。
しばらく眺めてから、来た道をUターンしました。
なんにせよ、いい運動になったな。このくらいの負荷の軽登山はいいものだ。
家光霊廟まで戻り、そのまま東照宮を後にしました。
日光東照宮まで来て拝観料を1円も払わず拝みもせず帰る男。
写真の枚数が多くなってきたので、一旦ここで区切ります。
また次回。