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毎年そうなんですが、お盆休みや夏休みが取れない仕事をしており
そのぶん9~10月にガッツリ休みを取ります。

なもんで今回は軽く一泊旅行に行くことにしました。

行き先は秩父だの長野県の木曽だの蓼科高原だのとかなり目移りして、
悩んだ挙げ句、群馬の水上温泉を目指すことにしました。
群馬県がどこにあるのかもちゃんと分かってないぜ!

以下は2025年9月24日の話になります。よろしくどうぞ。

当日は朝7時に起床。

前日、少しばかり寝付きが悪く睡眠導入剤を飲んだせいか、なんかキツめの悪夢を見て、
しかも夢の途中にアラームで叩き起こされたので寝覚めは最悪に近かった。

なんか、会社の怖い上司が見ている前でものすごいやらかしをしてヘコんだり、
そのあと立て続けに「俺のせいかどうか微妙なミス」が発生して、
「これは俺のせいじゃないだろうが!!!!」と逆上したりする夢。イヤ過ぎる。

バナナゼリーを飲み、インスタント茶漬けを食べ、更にココアスティックを食べ、
コーヒーを飲む。旅の前にカロリーを入れておきたいというのもあるが、なによりも
「便を済ませておきたい」という気持ちが強い。

とにかくトイレに行けないシチュエーションで便意が来るのを恐れる男。
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リュックを背負って、半袖シャツにチノパンという出で立ちで外に出た。

9月下旬とはいえまだまだ暑い……と思っていたが、日陰に入ると肌寒さすら感じる。
前日1時くらいには寝たはずだが、やはり寝不足気味の体調である。
「旅行なかったらあと三時間は寝てただろうな」などと思う。

今回はそこまで行ってないが、「ガチ寝不足」になると「頭はフラフラするし
乗り物には酔いやすいしお腹は下しやすいし」という地獄状態になるため、
旅行でそれだけは絶対避けたかった。
(それが逆にプレッシャーになって寝付けなくなって睡眠導入剤に頼ったんだけども)

東京駅で乗る新幹線が「一時間に一本」というペースなので、うっかり乗りそびれると
大幅にスケジュールが狂うので、気持ちがやや急いている。

あと新幹線の自由席に乗ることが滅多にないので「多分大丈夫だろうけど、混まないかな」と
ちょっとだけ不安になったりしていた。
いやまあ、平日昼間に群馬県方面に乗る客がそんな多いワケないんだけど。
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写真に真っ黒な俺が映り込んでいて笑う。亡霊のごたる。
事前に分かっていたことだが、平日朝イチ東京行きなので出勤ラッシュである。
俺が普段乗る通勤電車よりむしろ混んでいる。

初めてリュックを前向きに背負って電車に乗り込んだ。
満員電車。スマホを見てたわけでもないが軽く酔った。
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東京駅着。今回はこの「とき309号」に乗る予定である。
今更ながら「新潟行き」表示にちょっと不安がこみ上げる。
スマホで調べて「この電車、本当に上毛高原行くんだよな」と再確認する。

ていうか寝過ごしたら新潟か……。
お笑い芸人のエピソードトークじゃあるまいし、新幹線寝過ごしイベントだけは避けたい。
幸い、体調はそこまで悪くない感じだ。
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「平日朝に上毛高原に行く客なんて居ないだろ」とナメた考えを抱いていたのだが、
自由席車両には意外と行列が出来ていた。まあ「新潟行き」なんだから当然ではある。

並んで乗り込み、一番前の席に滑り込む。
隣の席に誰かが座ってくることもなく快適だった。
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座席の電源を使って、91パーになってたスマホの充電を回復する。
気を抜くと一瞬で50とかになってるから怖いぜ古スマホは。

まあ今回は予備バッテリー念の為持ってきたから大丈夫だとは思うけども。
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動き出した新幹線の車窓から会社が見えて「本来ならあそこで仕事してるはず」という
得も言われぬ開放感と優越感を味わった。連休ってのはいいもんだな!
後ろめたさが僅かに胸にあるが、いつも頑張ってる自分へのご褒美だ! と気を取り直す。

さあ、旅の始まりだ。
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数十分走って、本庄早稲田に着いた。

正直良く知らない地名だが、割と降車多いなって思いました。
通学客とか多いのかな? 調べたら早稲田大学から結構な募金を受けて設立されたらしい。
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東京からおよそ一時間ほどで、上毛高原駅に到着。
あっという間だった。さすがにこれでは仮眠も取れなかった。

この段階で、お腹の調子がかなり微妙で、このあとのバス旅に不安がつのる。
一時間に一本しかこないバスの中で便意が来たらシャレにならない。
仮に途中下車したとしてもトイレ近くにある保証はないわけで。
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こちらが上毛高原駅前。
空模様はド曇天って感じで、明確に肌寒さがある。

そして水下痢が出るタイプのお腹具合。
経験上、これは「一回出さないと収まらない」タイプのやつだと思うのだが、
いかんせんバスがあと15分程度なので便してる余裕があるか微妙。

トイレにこもってたらバス逃がしちゃいました~、は避けたいトラブルだ。
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バス停で待ってたら、旅行客のオバチャンに「ここスイカ使えるの?」みたいな話をされるが、
「多分使えると思いますけど俺も初めて来たんで分からないッス」と情けない回答をする。

まあ日本国内のバスでスイカ使えないの今どきねえだろという気もする。
確か、地元青森の南部バスでも使えたはずだし。多分。

そこでふと「俺スイカのチャージしなくて大丈夫か!?」と思ったが、5000円入ってて安堵する。
(ちなみにアプリは使ってないのでカードのsuicaしか持ってない)
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首尾よくバス乗車。やはりスイカは普通に使えて何よりだった。
もし現金のみだったら千円超の支払いでクソ面倒になるとこだった。

信号が少ないのでバスがギョンギョン進むし、ほとんど人も乗ってこないから快適。
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……と思っていたのだが、だんだん車窓に緑が増えてくるのと同時に、
路面状況が悪化しガタガタ揺れながら走るバス旅になっていった。

酔ったら目も当てられないので極力スマホを見ないようにする。
元々乗り物にはさほど強くないが、睡眠不足だと倍くらいの勢いで覿面に酔う。
そういえば日光のシャトルバスでは地獄を見ましたね……。
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「バスで移動して目的地を散策したあと、この道を徒歩でリターンする」というのが
俺の計画なのですが、車窓を見るに「人が歩くことを考慮されてない道」って感じで
どんどん不安が募っていく。

「歩道が激狭い、もしくはほぼ存在しない」「割と交通量は多い」
「道が曲がりくねっており車から歩行者が視認しづらい」
「二車線の片方が工事で封鎖されてたりする場所も多い」
「明らかに歩行者がわたることを想定されてないトンネルや橋がある」

……コレ歩いて戻るの相当きつくね?

とか思っていたら、ガードレールの上に猿が見えていよいよ心が萎える。
絵の写真は猿を撮影しようとして間に合わなかったやつです。

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上毛高原からバスで移動すること40分程度。

だいぶ緑豊かな場所に辿り着いた。ここは……。
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土合駅でございます。アサヒスーパードァァイ!

当初来る予定はなかったんですが、ネット検索していたら「日本一のモグラ駅」とあり
「ああ、見たことある。へえー俺が行こうとしてる温泉に近いじゃん」って感じで
急遽ルートに含めたという経緯です。

周囲はカフェが一件ある以外、本当に駅だけがある。静かで人気も少なく心地よい。
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とりあえずこの土合駅を探索してみよう。
古めかしい建物に、ワクワクがどうしても込み上げてきてしまう。

おじゃましま~す。
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「2022年に地下ホームトイレが終了した」というお知らせを思わず撮影する俺。
今冷静に振り返ると「コレを撮影する必要って何?」と思う。

電車の中でお腹痛くなった人が土合駅に辿り着いたら、とんでもない長さの階段を
駆け上がらないとうんこできないんだな……と思いました。

お腹痛い人への感情移入がすごい。
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古めかしい石畳廊下を歩いていると、「女神転生」感があってテンションが上がる。

人気はゼロというワケではないが、駅の利用客というよりは俺と同じ「モグラ駅探索」の人が
ぽつぽつ居る感じだった。平日昼間でコレなら、土日はもっと人多いだろうな……と思う。
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右に歩いて行ったら水上方面のホームに出てしまい「あれ?」ってなった。
地下に潜るのは逆ルートのようだ。

しかし、このホームも趣があっていい感じだな。
時刻表を見る限り1日6本くらいしか電車が無いようなので、今回の俺の移動には使えない。
(使うとしたら1時間40分くらい待つ必要がある)

しかし、電車よりバスのほうが来やすい駅ってのも凄い話だな。
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逆方向に進む。僅かに苔むした石の壁。
暗闇を頼りなく押し留める古めかしい蛍光灯の光。いいですね!

ライトな廃墟探訪のような気分になってくる。
現役の駅を廃墟扱いするな。
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おおー! こっから潜るのか!

テーマパーク的なワクワク感があるな。
どれどれ……。
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うわああああああ長えええええええ! 下が見えねえ!

高所恐怖症の俺でもさすがにこの長さだとピンとこない。
というかまあ石段とかと違って、普通の階段だと高所恐怖は込み上げないか。

人がポツポツいるが、上り下りというより写真撮ってる感じだった。
ただ豆粒過ぎて何をしてるのか良くわからない。距離感がおかしくなる。
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別角度からもう一枚。一瞬、まっすぐな道に見えて平衡感覚が狂う。

「下まで降りてみようかな」と一瞬思ったのだが、ホームに用事が無い以上、
往復しないといけないわけで、この序盤に体力を使い果たすことになりかねない。
逡巡の末、諦めることにした。

あとで調べたら5~6分登り続ける必要があるらしく、ちょっとそれはさすがにキツイ。
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462段あるらしい。地獄かよ。

「がんばって下さい」の赤点、階段必死に登ってきた人からしたら煽りに見えるだろうな。
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駅の中に戻り、黒板を見る。
近隣の山林において「豚コレラウイルスに感染した野生イノシシが見つかっています」。

別に人に感染するわけではないらしいが、それでも野生動物とエンカウントの
可能性を考えると、あんまり山林に踏み込みたくないなという気持ちになる。
猿はまだしも、イノシシは結構怖いし、熊に遭遇だけは絶対に避けたい。
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今回、行く予定は無いのだが、本来は谷川岳に登山する人が来る駅なのだろう。

登山について、このブログ内で10回以上同じことを書いているが、
「うっかり者かつ体力が無い俺がやったら多分死ぬ」というのが結論である。
憧れはあるのだが、さすがに怖い。高尾山ところか七沢森林公園で死にかける男である。
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登山客のノートがあり、穏やかな気持で眺める。なんかこういうのいいよね。
ネットがなかった時代から連綿と続くテキストのつながり。

表紙で「しりとり つなげてくれ 山田」とあって、しりとりが始まっているのだが
グダグダで終わっているのも心地よい。

これを見ていたら唐突に、地元のゲームセンターにあったノートにダル絡みみたいな
文章を書いて、結構なテンションでマジギレ反論されて落ち込んだことを思い出した。
こんな場所で中学時代の黒歴史に再会するとは。
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気づけば土合駅のトイレをチェックしている俺が居た。

「どうせ汚い和式だろ」と思ったら存外綺麗で、「ああ、ちゃんと観光客の対応をする
JRの駅なのだな」と心のなかでJRさんに詫びを入れる。
ワンチャンここで便するのもアリかと思ったが、ウォシュレットないことを理由にやめておく。
この頃にはそこまで限界便意でもなくなっていた。
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ぼんやりと木々を眺めつつ「どうやって戻るかなあ」と考える。
重々しい曇天と薄ら肌寒い気候が、煙のように胸に広がる不安を更に煽る。

駐車されている車を見ながら「車あると全然違うだろうなあ」と詮無いことを思う。

2022年くらいから散歩や一人旅しまくって改めて分かったけど、
徒歩と公共交通機関のみの旅、限界がメッチャある。当たり前だけど。
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ふと、バス停に外国人二人組を見かける。

あれ、もしかしてバス来るの? と思いながら時刻表見たら10分後。
これ幸いと待つことにする。水上駅までバスで戻れればだいぶラクになる。

まあ、それはそれでちょっとつまらない部分もあるが……。
俺は「徒歩でちょっとしたピンチを味わうのが旅の醍醐味」と思っているフシがある。
しんどい目にあったほうが、後で楽しい思い出になるんだよね。
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というわけで、バスでさくっと水上駅に戻ってきてしまいました。
水上駅はトイレも待合室もあり、まったり休憩するに不足ない。

いまは11時40分ということで、さすがに昼飯を食べておきたいなと考える。
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駅前はちょっとした商店街があるので、ここで食べていくのが良いだろう。

大福やどら焼きを推しているおみやげ屋さんが並んでいる。
荷物になるので、おみやげ買う予定は無い。
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山々に囲まれていることを伝えたくて、なんとなく逆側から撮影。

谷川岳と武尊山に囲まれているんだなあ。
……というか今ブログ書いてて気付いたけど、前に行った中禅寺湖もそう遠くないのか。
日光はもう一回くらい遊びに行ってもいいかな~って気持ちがある。
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何がどうということもないが、商店街の中に急激な段差があり
つい心惹かれて写真を撮ってしまう。

なんか日常の生活空間に長めの階段があることにグッと来ちゃうんだよな。
「不便だろうな」というところも含めて。
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駅前の「くぼ田」という蕎麦屋さんに入りました。
地方の昔ながらの店だったので、注文がQRで出来ることに意表をつかれてしまった。

1600円の天ぷらそば。
昔だったら「観光地価格」と思ったかもしれないけど、2025年現在の物価なら全然普通だよな。
もっちりとした麺と、ジューシーな椎茸! 舞茸が甘めのダシに合う。美味かったです。満腹。

オッサンになるとホンット椎茸がうめえんだよな。
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12時15分頃。水上駅で食休み。人気が無くて実に快適である。

午前中からずっとお腹の調子が微妙だったので、駅のトイレ行こうと思ってたんですが
ちゃんとした飯を食べたら落ち着いてしまった。こういうこともあるから便意は読めない。
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腹ごなしがてら、駅の周りを散策する。
今回のルートに組み込めなかったけど「ダム見に行きたかったな」と少し思う。
このあたりにはダムが多く、特に奈良俣ダムは一度見てみたかったなー。

これまでも色々とダムを見て回っているんですが、なんつーか、これもまた
徒歩と公共交通機関移動の限界というか、やっぱダム行くのって大変なのよね……。
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近所にSL広場があるのでブラリと眺める。

ぶっちゃけ、機関車に興味は全然無い。
歴史好きではあるんだけど、不思議と機関車には当時を思わせる感興があまり起きない。
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「デゴイチ」というあだ名だけは知っている。
……まあ「タフ 龍を継ぐ男」由来の知識なんですけどね。なにっ!

昭和45年からあるのか……。
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それから近隣をフラフラと散策しつつ、宿に向かって歩くことにする。

旅先の観光地や景勝地もいいものだが、こういう「その地の人々の日常」が垣間見える
何の変哲もない景色ってのも割と好きなんだよな。人気が無いと尚更いい。

散歩しててしみじみ思ったけど、俺は本当に「人が居ない場所」が好きなんだよな。
人類が滅びたあとの地球を散策したい願望がある。ヒョンヒョロ願望。
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廃墟と化したホテルを眺めて、なんともいえない感慨に浸る。

廃墟は好きだけど、廃墟の中を探索したいとまでは思わない。
それはシンプルに「危なそうだし蜘蛛の巣とか凄そう」ってだけの理由。
好奇心はあれど危険は冒したくない男です。

リスクを避けたから何も得られないまま老いさらばえていく男です。
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下り階段が草に覆われている。蜘蛛の巣もすごい。

こりゃあいかにもって廃墟だ。
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廃墟の遠景。
……いいなあ。いい。

80とかのジジイになったらこういう廃墟に住み込んで静かに身元不明の白骨死体になろうかな。
身寄りのない老人の緩慢な自死。
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ちゃんと立入禁止のロープがかかっている。

さすがにこういう場所に踏み込むようなガキじみたマネはしない。
44歳社会人。ちゃんと良識がある。まあ良識というか保身なんだけど。

えー、ちょっと長くなってきたので一回ここで区切ります。
次回は水上散策~宿宿泊編になります。お楽しみに。

ご清聴有難うございました。(次回記事はこちら